2025年2月15日土曜日

果てなき白

 筆を執る、幾度も。

紙の海に、名を刻む。

ひとつ、またひとつ。

幾千の夢を背負ひ、墨は流れ、筆は舞ふ。

終はりは來るのか。

幾許の時を越へても、

目の前の白は尽きることなく、

新たなる名が、またひとつ。

これは旅路か、修行か。

書けども書けども、終はらぬ道。

されど、ひと筆ごとに魂を込め、

送り出す、未來を抱く手のひらへ。

筆を執る、幾度でも。

夜が明けるまで、墨が乾くまで。

そしてふと、白き海の果てに、

最後の一枚が、静かに待つ。



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