2026年7月28日火曜日

ご縁に恵まれているなあと感じます

 ご縁に恵まれているなあと感じます。

 近所の自動車整備会社で工場長をしているのは同級生。車のトラブルのときにはいつもお世話になっています。先日は、自動車ではないのに草刈機の調子が悪くなり、トラックで引き取りに来てくれて、面倒を見てもらいました。困ったときに「ちょっと見てくれる?」と気軽に頼める人が近くにいてくれることは、本当にありがたいことです。

 せっかく長く書道を続けてきたのだから、自分にできることでお礼を伝えたい。そんな思いから、ささやかですが作品を寄贈させていただきました。若い頃は、展覧会に出品するために書いていました。気合いを入れて筆を持っても、無心に書くだけでした。けれど、この歳になって、自分の書いたものが誰かへの感謝を伝えるものになったり、どこかの片隅で誰かの目に留まったりするのであれば、それもまた書を続けてきた意味の一つなのかもしれません。

 人に恵まれて生きていることに感謝です。



2026年7月27日月曜日

花あかり

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⑩】花あかり 椿

 白い椿を逆光で捉え、オールドレンズでの虹色のフレアを生かして撮影しました。光に包まれた空気感と、自然の息づかいが伝わるよう表現しています。



2026年7月26日日曜日

おばこの花

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑩】おばこの花(ドンパン節) 半切1/2

 いつ来ても井戸端きれいに咲くのはあやめ 秋田のおばこによく似てる かわいい花だよ 皆おいで

 秋田の民謡「ドンパン節」の一節を題材としました。整いすぎた美しさではなく、素朴で飾らない筆致によって、秋田のおばこの親しみやすさと温かさを表現しました。



2026年7月25日土曜日

花信

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⓽】花信 カランセ

 白いカランセを、蕾の連なりまで意識して撮影しました。斜めに伸びる花茎の流れを生かし、生命のリズムと清楚な空気感を表現しています。



2026年7月24日金曜日

花の山

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑨】 花の山

石井露月の句 半切1/2

團子喰えば犬ほゆるなり花の山

石井露月の句を、連綿を特化した調和体で表現しました。花見の賑わいと人々の暮らしの温もりが感じられる一句です。



2026年7月23日木曜日

寿

 このたび、樺細工の色紙掛けと一緒に「寿」の作品を寄贈させていただきました。

 日頃お世話になっている方々への、ささやかなお礼の気持ちです。私にできることといえば書道作品を書くことくらいですので、それを形にしてみました。

 振り返れば、人生の多くの時間を書道とともに過ごしてきました。展覧会に出品するために書き続けてきたというのが、本当のところかもしれません。作品を書くときは、ただ気合いを入れて、無心で筆を運んでいます。せっかく人生をかけて取り組んできた書道です。手元に残すだけでなく、多くの方に見ていただき、その作品が誰かの何かになれば、こんなに嬉しいことはありません。

 それが、私なりの人生の証なのだと思っています。



2026年7月22日水曜日

秘花

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⑧】秘花 リカステ

 深い紅紫色のリカステを、背景を落として浮かび上がるように撮影しました。やわらかな光と陰影により、花の秘めた気配と気品を表現しています。



2026年7月21日火曜日

一陽来復

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑧】 一陽来復 半紙

 紙面いっぱいに落書を配置し、文字の造形が生み出す面白さを追求しました。中央の朱印をアクセントとして、新たな春を迎える喜びを表現しています。



2026年7月20日月曜日

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⑦】 香花 カトレア

 やわらかな逆光の中で咲くカトレアを撮影しました。背景を大きくぼかし、鮮やかな唇弁と温室でふと出会ったような空気感を表現しています。


2026年7月19日日曜日

花影

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑦】花影 半紙

 王鐸の行書をイメージし、細い線を駆使して表現しました。線の強弱や墨の濃淡によって、花の姿そのものではなく、ふと心に残る花の面影を描いています。

光があるからこそ生まれる影。風に揺れる花の影は、ひとときの美しさを私たちの心に映し出します。その儚さと静かな余韻を感じていただければ幸いです。



白毬

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⑥】 白毬 ネオベンサミア

 白い小花が毬のように集まり、静かな光をまとって咲くネオベンサミアを撮影しました。やわらかなぼけを生かし、花の立体感と静謐な空気感を表現しています。



2026年7月18日土曜日

昇華

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑥】昇華

「咲き誇れ 風雪越えてなお高く」

顔真卿の行書を意識し、力強く伸びやかな線で表現しました。風雪を越えてなお高みを目指す、生命の力と成長への願いを込めています。



2026年7月17日金曜日

白の余韻

 【写と書の美のり展作品紹介 写真⑤】 白の余韻(スイセイラン)

 白い花弁に浮かぶ紫の斑点と、やわらかな光に惹かれて撮影しました。背景をぼかし、花の繊細な表情と凛とした空気感を表現しています。



2026年7月15日水曜日

花の憂ひ

 【写と書の美のり展作品紹介 書道⑤】 花の憂ひ(小野小町の和歌) 半切

「花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」

 平安朝の仮名書の優美な表現を意識し、仮名を生かした調和体で制作しました。花の色の移ろいに自身の姿を重ねた、小野小町の繊細な心情を表現しています。



2026年7月14日火曜日

無事終了

 「写と書の美のり展」は昨日をもちまして、無事に会期を終えることができました。

 ご来場くださった皆様、SNSをご覧くださった皆様、そして開催にあたりご協力くださった皆様に、心より感謝申し上げます。今年初めて本格的に写真に取り組み、書と写真を組み合わせた展示という新しい挑戦でした。不安もありましたが、多くの温かいご感想や励ましのお言葉をいただき、大きな力となりました。この展覧会で得た学びや出会いを大切にしながら、これからも「写」と「書」、それぞれの表現を深めてまいります。

 本当にありがとうございました。



2026年7月12日日曜日

静かな灯

 【写と書の美のり展作品紹介 写真④】 静かな灯(金花茶)

  やわらかな前ボケを生かし、静かな光に浮かぶ金花茶を撮影しました。控えめで上品な花姿と、温室の穏やかな空気感を表現しています。



2026年7月11日土曜日

破天荒

 【秋田の書展】出品作品 「破天荒」

多聞闕疑

「秋田の書展」出品作品です。「多聞闕疑」とは『論語』の「多くの情報を集めても、疑わしいことは慎重に見極める姿勢が大切」だと教えています。

 その思いを表現するため、作品は新聞紙風包装紙を素材として制作しました。私たちは多くの出来事を新聞から知ります。ただし、実際の新聞では記事を読んでしまい、文字そのものに視線が向かいにくくなります。そこで、あえて読みにくい外国語の新聞紙風包装紙を用い、情報の存在を感じさせながらも、作品の主役である「破天荒」の文字に集中できるよう工夫しました。

 文字の意味だけでなく、素材そのものにも作品の思想を込めた一作です。

◇秋田の書展 令和8年7月11日(土)〜13日(月) 秋田市:アトリオン3階



菊を摘む

 【写と書の美のり展作品紹介 書道④】 菊を摘む 半切

「採菊東籬下 悠然見南山 菊の香にふと顔をあげれば南の山はもう夕色だった」

 大字と細字の調和によって、詩の広がりを表現しました。自然の中に生きる陶淵明の穏やかな心を感じていただければ幸いです。



2026年7月10日金曜日

春灯

 【写と書の美のり展作品紹介 写真③】春灯 レリオカトレア

 鮮やかな色彩と絡み合う花弁の線に惹かれ、枯れゆく美しさを捉えました。背景をぼかし、花の生命の余韻が静かに伝わるよう表現しています。



2026年7月9日木曜日

蘭の香

 【写と書の美のり展作品紹介 書道③】 蘭の香(半切1/2)

芝蘭之室 善き人と共にいれば芝蘭の部屋に入ったように自然と香りが身につく

 中央の「芝蘭之室」を隷書で大きく表現し、両脇に孔子家語の言葉を配しました。良き人と共に生きることで、自らも磨かれていくという教えを書きました。



2026年7月8日水曜日

残り火

 【写と書の美のり展作品紹介 写真②】残り火

ションバーギア グラキリス

 柔らかな光に包まれた淡黄の花を主題に、前後をぼかして奥行きを表現しました。静かに浮かび上がる一輪から、春のぬくもりとやさしい息づかいを感じていただければ幸いです。



2026年7月7日火曜日

咲き急ぐ

 【写と書の美のり展作品紹介 書道②】 咲き急ぐ

 「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」

 平安朝の古典仮名を手本とし、流麗で優雅な線を意識して表現しました。言葉の持つ儚さと余情が伝わる用に制作しました。

花のいの(能)ちは(八)み(身)し(新)か(可)くて(伝)く(具)る(流)しき(起)ことの(能)み(三)多か(可)りき(支)



2026年7月6日月曜日

花明かり

 【写と書の美のり展作品紹介 写真①】 花明かり 椿

 柔らかな逆光の中で、一輪の椿が静かに浮かび上がる瞬間を捉えました。背景を大きくぼかすことで、花の持つぬくもりや気配を引き立てています。



2026年7月5日日曜日

花筏

 【写と書の美のり展作品紹介 書道①】花筏 八つ切り

「船頭の唄やゆらゆら花筏」

 大曲高校の卒業生で、俳句に取り組んでいる先輩の入選句を題材にした作品です。

「ゆらゆら」という言葉から発想を広げ、行の流れに変化をつけることで、花筏が春の川面をゆったりと漂う情景を表現しました。



2026年7月4日土曜日

響く空間

  今年の初めから写真の魅力に惹かれ、日々カメラを手に作品づくりに取り組んできました。本展では、洋ランフェスティバルで撮影した写真と、「花」をテーマに制作した書道作品を展示しています。言葉と写真、それぞれの表現が響き合う空間を目指した作品展です。



2026年7月2日木曜日

 秋田県美術展覧会(県展)が終わりました。

 今年から書道部門の運営委員を務めることとなり、審査・運営に携わる立場となったため作品は賛助出品です。
 出品作の題は「新火」。運営委員として展覧会を支えながら、一人の書人としても学び続けていきたいと思います。



2026年7月1日水曜日

公開中

  昨日より「写と書の美のり展」が始まりました。会場へお越しくださった皆様、ありがとうございました。

 今回の展示では、秋田県立農業科学館「洋ランフェスティバル」で撮影した花の写真と、「花」をテーマにした詩文や俳句などを揮毫した書作品を並べています。

 写真と書、それぞれ異なる表現ですが、互いに響き合い、花の美しさや言葉の余韻を感じていただければ幸いです。

 会期中、お近くへお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。



2026年6月28日日曜日

次は最初に

  今年、思うところがあって畑を作り、野菜づくりを始めました。春に植えたナスも順調に育ち、「そろそろ最初の一本を収穫しよう」と楽しみにしていたのですが……。私より一足早く、誰かが味見をしていました。

 人間より先に「食べ頃」の見極めができるとは、なかなかの目利きです。初収穫は少し残念でしたが、畑も自然の一部。これもまた野菜づくりの勉強ですね。

次こそは、私が先にいただきます。



2026年6月26日金曜日

古民家の縁側

  古民家の廊下に立つと、床板の艶や柱の傷に長い歳月が刻まれていることに気づきます。奥から差し込む光に導かれるようにシャッターを切りました。建物そのものではなく、この場所に流れ続けた時間を写したいと思いました。

撮影:秋田市、旧黒澤家



2026年6月25日木曜日

空を目指して

 夕方の光を受けながら、キュウリのつるは一本の糸をたぐるように網へと手を伸ばす。小さな黄色い花を咲かせたその姿には、実りへ向かう確かな意志が感じられた。畑に立つたびに目にする何気ない成長の一場面だが、空へ空へと伸びていく生命の力強さに心を動かされた。



2026年6月24日水曜日

秋田県美術展覧会運営委員

 秋田県美術展覧会(県展)の審査会に、書道部門の運営委員として参加しました。私の役割は審査主査の補助です。多くの作品と向き合う貴重な機会となりました。

 審査は一点一点真剣に行われ、作品に込められた作者の思いや努力が伝わってきました。入賞作品だけでなく、出品されたすべての作品にそれぞれの魅力があり、書に向き合う多くの方々の熱意を感じました。

 普段は作品を制作する立場ですが、運営の立場から県展に関わることで、展覧会が多くの人々の支えによって成り立っていることを改めて実感しました。貴重な経験を今後の創作活動にも生かしていきたいと思います。



2026年6月23日火曜日

「写と書の美のり展」のご案内

  このたび、写真と書による作品展「写と書の美のり展」を開催いたします。

 本展では秋田県立農業科学館の「洋ランフェスティバル」で撮影した花の写真作品10点と、花を題材とした漢詩、短歌、詩文などの書作品10点を展示いたします。

 写真は自然が見せる一瞬の美しさを捉え、書は古今の言葉に込められた花への思いを表現しています。写真と書、それぞれ異なる芸術表現を通して、花の魅力と言葉の美しさを味わっていただければ幸いです。

 ご多用のところ恐縮ではございますが、取材ならびにご紹介くださいますようお願い申し上げます。


【会 期】 令和8年6月30日(火)~7月13日(月)  ※日曜日休館

【時 間】 午前9時~午後5時50分

【会 場】 株式会社とみや大仙店内ギャラリー (大仙市若竹町33-14)

【入場料】 無料

【後 援】 秋田魁新報社・書友社




2026年6月3日水曜日

二つ返事

  せっかく頼りにして私を選んでくださったのだから、基本的に依頼は断らないようにしている。

 先日も二つ返事で引き受けたのはよかったものの過去帳というのか、系図というのか、長い年月を経てぼろぼろになった古文書の書き直しである。ところが、仏教特有の書き方なのか、単なる誤字なのか、あるいは書き手の癖なのか――見たこともない字が次々と出てくる。

 これは果たして、見たまま忠実に書き写すべきなのか。それとも現在使われている字に改めるべきなのか。筆を持ちながら、しばらく悩んだ。













2026年5月8日金曜日

ゼッケンSTORY

  当時の監督の依頼をきっかけに卓球部のゼッケンを隷書で書き続けて、気づけば40年近くになります。隷書のゼッケンはひときわ目立つようで、「あの変わったゼッケンはあの高校だ」「あの学校は強い、ヤバい」と、試合前からビビらせる作戦のようです。

 男子は「乙瑛碑」をイメージして力強く、女子は「曹全碑」をもとに優美に――それぞれの個性が伝わるように書いてきました。

 書は、ほんの一瞬で心に届く。そんな力を、ゼッケンに託してきたつもりです。



2026年4月7日火曜日

入学式の立て看板を書いた

 校舎の入口に立ち、新入生と保護者を最初に迎える一枚である。その場の空気を背負うつもりで、筆を入れた。この規模の看板をワープロで作る学校はあるだろうが、毛筆でしかも自前で書ける学校は秋田県内でどれくらいあるのだろうか。



2026年4月4日土曜日

テリトリー

  犬がテリトリーを示すように、隙あらば筆を入れる。歓迎会の横看板も、その一枚である。今回は会の幹事長を務めた。ならば、書もまた、その責を負うべきだと思った。

 以前、会場で自分の書を見て思った。―こんなに小さかったか。だから今回は、遠慮をやめた。壁に貼るのではない。場を引き受けるつもりで書いた。



2026年4月3日金曜日

はじまり

 新任の先生方を迎え、玄関に歓迎のことばを掲げました。扉をくぐるその一歩が、この場所での新しい時間のはじまりになるように。ことばは静かに、しかし確かに毎日を照らし続けます。



2026年4月1日水曜日

先生の激励

  ネットオークションで、偶然見つけた。この書きぶり、そして用いられている印。大学時代にお世話になった先生の作品に違いない、そう思った。

 作者不詳として出品されていた。購入価格は1000円。入札は入っていなかった。だが、本来はそんな値段で手に入るものではない。迷わず手を伸ばした。

 先生が色紙の本を出版された折、そのときに書かれた一枚を、かつて譲っていただいた。その色紙は、今もアトリエにある。あの一枚と、この一枚。

どこかでつながっている気がする。

「しっかり稽古しなさい」

そう、今も言われているようである。



2026年3月24日火曜日

人の手前にあるもの

 山はただそこにあるだけで、圧倒的である。だが、その手前には誰かの暮らしがある。柱を立て屋根をかけ、風を受けながら日々をつなぐ場所。

遠くの白さに目を奪われながら、人はその手前で生きている。

この距離こそが、風景の意味である。

(撮影地:大仙市・払田の柵)



2026年3月23日月曜日

流れの奥へ

雪に閉ざされた路地の奥で、

水だけが止まらずに動いている。

人の気配は薄れても、

この土地の時間はまだ流れている。



2026年3月22日日曜日

 光は触れられないのに、確かにそこにある。

(撮影地:秋田銀行旧本店)



2026年3月21日土曜日

ほどけゆく白

凍てついたものが、静かにゆるみはじめる。

流れは、季をほどいてゆく。

(撮影地:大仙市)



2026年3月20日金曜日

映る町

雪に閉ざされた通りは、

どこか時間を止めたように静かだった。

けれど、丸い鏡の内側だけは、

確かに町の続きが息をしている。

触れられない距離のまま、

そこにだけ、日常が残っていた。

(撮影地:横手市増田)



2026年3月19日木曜日

銀行のポスト

 明治の銀行営業室の奥に、

赤いポストが立っている。

床のタイルを渡って、

手紙は静かにそこへ向かう。

(撮影地:旧秋田銀行本店)



2026年3月18日水曜日

光の先

古い家の廊下を、低い目線でのぞいてみた。梁が重なり、まるで奥の光へ導いているようだった。建物の静かな呼吸が聞こえる気がした。



2026年3月17日火曜日

冬の主

雪をかぶった狸が

古木の根元で静かに座っていた。

長い冬を

ここで見守っているようだった。



2026年3月16日月曜日