2025年2月10日月曜日

こだわり

 書道展など筆文字の魅力を伝える場において、その趣旨にふさわしい在り方があるのではないか——そんな時にこだわりがある。

 たとえば、書道展の賞状。書家が関わる催しでありながら、賞状がワープロで作成されるのはどこか違和感を覚えてしまう。せっかく筆文字の美しさを称え広める場であるのだから、その証として授与される賞状もやはり毛筆であるべきではないかと思う。

 そんな思いから、それを提案して賞状の本文や記名を書く機会があれば、迷わず引き受けることにしている。やはり、書の世界に生きる者として、こうした場こそ筆の文字が息づいていてほしい。毛筆で書かれた文字には、手で書くからこそ生まれるパワーがある。それが伝わる場を大切にしたい——それが、私のささやかなこだわりである。

 しかし、こだわって担当したはいいが、書いてみると己の下手さに愕然としてしまう。でも、大丈夫。大曲高校書道室には頼もしい「緑のジャージを着たおじさん」が住んでいる。



0 件のコメント:

コメントを投稿