2026年6月25日木曜日

空を目指して

 夕方の光を受けながら、キュウリのつるは一本の糸をたぐるように網へと手を伸ばす。小さな黄色い花を咲かせたその姿には、実りへ向かう確かな意志が感じられた。畑に立つたびに目にする何気ない成長の一場面だが、空へ空へと伸びていく生命の力強さに心を動かされた。



2026年6月24日水曜日

秋田県美術展覧会運営委員

 秋田県美術展覧会(県展)の審査会に、書道部門の運営委員として参加しました。私の役割は審査主査の補助です。多くの作品と向き合う貴重な機会となりました。

 審査は一点一点真剣に行われ、作品に込められた作者の思いや努力が伝わってきました。入賞作品だけでなく、出品されたすべての作品にそれぞれの魅力があり、書に向き合う多くの方々の熱意を感じました。

 普段は作品を制作する立場ですが、運営の立場から県展に関わることで、展覧会が多くの人々の支えによって成り立っていることを改めて実感しました。貴重な経験を今後の創作活動にも生かしていきたいと思います。



2026年6月23日火曜日

「写と書の美のり展」のご案内

  このたび、写真と書による作品展「写と書の美のり展」を開催いたします。

 本展では秋田県立農業科学館の「洋ランフェスティバル」で撮影した花の写真作品10点と、花を題材とした漢詩、短歌、詩文などの書作品10点を展示いたします。

 写真は自然が見せる一瞬の美しさを捉え、書は古今の言葉に込められた花への思いを表現しています。写真と書、それぞれ異なる芸術表現を通して、花の魅力と言葉の美しさを味わっていただければ幸いです。

 ご多用のところ恐縮ではございますが、取材ならびにご紹介くださいますようお願い申し上げます。


【会 期】 令和8年6月30日(火)~7月13日(月)  ※日曜日休館

【時 間】 午前9時~午後5時50分

【会 場】 株式会社とみや大仙店内ギャラリー (大仙市若竹町33-14)

【入場料】 無料

【後 援】 秋田魁新報社・書友社




2026年6月3日水曜日

二つ返事

  せっかく頼りにして私を選んでくださったのだから、基本的に依頼は断らないようにしている。

 先日も二つ返事で引き受けたのはよかったものの過去帳というのか、系図というのか、長い年月を経てぼろぼろになった古文書の書き直しである。ところが、仏教特有の書き方なのか、単なる誤字なのか、あるいは書き手の癖なのか――見たこともない字が次々と出てくる。

 これは果たして、見たまま忠実に書き写すべきなのか。それとも現在使われている字に改めるべきなのか。筆を持ちながら、しばらく悩んだ。













2026年5月8日金曜日

ゼッケンSTORY

  当時の監督の依頼をきっかけに卓球部のゼッケンを隷書で書き続けて、気づけば40年近くになります。隷書のゼッケンはひときわ目立つようで、「あの変わったゼッケンはあの高校だ」「あの学校は強い、ヤバい」と、試合前からビビらせる作戦のようです。

 男子は「乙瑛碑」をイメージして力強く、女子は「曹全碑」をもとに優美に――それぞれの個性が伝わるように書いてきました。

 書は、ほんの一瞬で心に届く。そんな力を、ゼッケンに託してきたつもりです。



2026年4月7日火曜日

入学式の立て看板を書いた

 校舎の入口に立ち、新入生と保護者を最初に迎える一枚である。その場の空気を背負うつもりで、筆を入れた。この規模の看板をワープロで作る学校はあるだろうが、毛筆でしかも自前で書ける学校は秋田県内でどれくらいあるのだろうか。



2026年4月4日土曜日

テリトリー

  犬がテリトリーを示すように、隙あらば筆を入れる。歓迎会の横看板も、その一枚である。今回は会の幹事長を務めた。ならば、書もまた、その責を負うべきだと思った。

 以前、会場で自分の書を見て思った。―こんなに小さかったか。だから今回は、遠慮をやめた。壁に貼るのではない。場を引き受けるつもりで書いた。