おい、聞いたか。
人の世は移ろう。
名も出来事も、
やがて薄れていく。
それでも
ふと交わした一言だけは
消えずに残る。
どこかで
静かに微笑んでいる。
おい聞いたか
人の世は移ろい
それでも一言は消えず微笑む
竹村天祐の書の世界をご案内します。
おい、聞いたか。
岩手県盛岡市の岩手銀行赤レンガ館。
赤レンガの建物は、外から見ると堂々としている。けれど中に入ると、時間はゆっくりと流れている磨かれた木の階段。何人もの人が上り、下り、そして去っていった場所。
窓の向こうには、緑青のドーム。外の街は変わっても、この建物の中には静かに積み重なった時間が残っている。
岩手県盛岡市の報恩寺の五百羅漢。光と陰を意識し、像の立体感が浮かび上がるように心がけて撮影しました。堂内は思いのほか暗く、だからこそ、差し込むわずかな光の大切さをあらためて感じます。羅漢の表情はひとつとして同じものがなく、静かな光の中で、それぞれが語りかけてくるようでした。
卒業証書ホルダーの校名を揮毫しました。
本校のホルダーには“まち”があり、証書に折り目をつけることなく、そのまま収めることができます。たったそれだけの違いですが、三年間の歩みを折らずに手渡すという意味では、とても象徴的な工夫だと感じています。包むものは紙一枚でも、その内側には時間と記憶がある。校名の一画一画に、静かな門出への願いを込めて筆を入れました。
同窓会青麻会の祝詞を揮毫しました。門出に立つ卒業生へ先輩方からのまなざしと祈りを、一字一字に込めて。節目の式典に、筆で関われることは何よりの光栄です。言葉は声を越え、時を越えて残るもの。その一端を担えたことに、静かな誇りを感じています。