長年愛用している印泥が、いよいよ残りわずかとなった。そこで、新たな印泥を買おうと、いつもお世話になっている書道用品店にお願いした。そこには新しい体制で作られた印泥と、ひとつだけ残っていた以前の体制だが上海製の印泥が置かれていた。「どちらにしますか」と問われた。
その印泥にはいくつかの工房・企業が製造しており、その背景には製造体制の変遷や、ブランド継承の複雑さがある。製造元によって「本物」だとか「偽物」だとか、さまざまな情報が飛び交っている印泥だ。結局新しい体制でない上海の印泥にした。
使ってみると、今までのものとは少し違うような、でもどこか似ているような……。新しいせいか、印影は明るく発色しクリアに押すことができた。最近急に温かくなったので気温のせいか、あるいは配合の違いか柔らかく感じられたのも印象的だった。
まだ手になじみきったとは言えない。けれど、この印泥ともまた、静かに時を重ねていくのだと思う。
#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学
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