2020年12月11日金曜日

美術・書道展覧会

第19回秋田県高等学校芸術科教員発表会「美術・書道展覧会」

  令和2年12月10日から13日まで、秋田市アトリオン第1展示室で秋田県の高校で美術と書道を担当している教員の作品展が開かれています。私は3点出品しています。

▲会場入口ポスター

▲「小宇宙」
左:「死中求生」(全紙1/2)
中:今為学者如登山麓(三尺×六尺)
篆書を淡墨で、行草を濃墨で同じ文を
右:Keep looking up .That's the secret of life...
上を見続ける それが生きるコツさ スヌーピーのことば(全紙1/2)

▲「書道部だヨ!全印集合」

▲「石井露月の句」
綱引きや双峰の神みそなはす







▲作品展示風景



2020年12月1日火曜日

印人のシャレ

 来週の木曜日から、秋田市アトリオンで芸術科教員発表会「美術・書道展」が開かれます。それに出品する作品を書きました。書道部部員の作品に押すために私が彫った、部員の自用印を出品すことにしました。タイトルは「書道部だヨ!全印集合」です。

 1時間近くかけて印を押して、そして最後の1顆。少しシャレて横向きに押してみました。このセンス、わかるかな~。

▲赤い〇の印にご注目を


 違います、油断していました、最後ということで。いつもは押す直前に印の方向を確認しますが、「これで最後」と注意が散漫になり“うっかり”それをやりませんでした。その結果、こうなりました。

▲オシャレな横向き?


 気持ちが遠くに行ってしまい、もう一度最初からやり直す気力はありませんでした。しかし、気をとりなおし見直すと「みんなお行儀良く押されている印の中で、一つだけ横向きでシャレているかも」と見えるようになりました。それで「へば、これで」となりましたとさ。

▲完成図


2020年11月28日土曜日

【書友1月号(R03)】十七帖の断筆について 

 一般漢字半紙段位課題「十七帖の断筆について」

学習用「三井本」十七帖

□断筆とは何か

 断筆(だんぴつ)とは三井本にある用筆法で、画の転折部分でいったん筆を離し、そこよりわずかに位置を移して筆を入れ直し次の画を書く書き方を言います。

 王羲之の十七帖の真跡はすでになく、今日残っていて書として優れ拓本として良好なものに「 三井本」、「上野本」と呼ばれているものがあります。同じ十七帖でも「三井本」と「上野本」の両者を比べてみると書風が異なり、文字の形なども違いがあります。

 断筆は真跡にはなかったと思われます。断筆は『 十七帖』を学ぶ人のために運筆の様子がよくわかるようにと手を加えて石に彫り直したと考えられています。


          ▲上野本             ▲三井本


 草書は行書を崩してさらにそれを簡略化して生まれたのではなく、楷書と共に隷書から発達したものと言われています。同じ草書でも孫過庭の書譜や智永の千字文が点画が曲線的であるのに対し、王羲之の十七帖は点画が直線的です。それは王羲之はその楷書の書き方が完全に抜けない形というよりも、楷書の書き方をも取り入れた草書の完成へと進めていったのかもしれません。また、隷書的な書き方も取り込んでいます。十七帖の書き出しの部分は相当注意を払って書き始めたと思います。これには隷書のような書き方です。

□臨書するときに断筆はどうすればいいのか
 断筆で何を教えようとしたのでしょうか。それは「リズム」です。書くリズムの起点をつくるために断筆はあると思います。書道史時代的背景から楷書的な書き方をする草書にリズムを持たせるために、断筆はそのスタート地点です。
 断筆部分では原本のように筆を位置をずらして筆を入れ直して書いてもいいし、その場で一端筆を止め同じ位置から書き進めてもかまいません。大切なことは運筆の流れるようなリズムで書くということです。

▲臨書例




2020年11月20日金曜日

蜀素帖筆順研究

 筆順がわかりにくい字を研究してみました。









蜀素帖釈文研究


▲蜀素帖「呉江垂紅亭の作」

◇原文

断雲一片洞庭帆  断雲一片洞庭(どうてい)の帆(はん)

玉破鱸魚金破柑  玉(ぎょく)は鱸魚(ろぎょ)を破(やぶ)り金は柑(かん)を破る

好作新詩継桑薴  好(よ)し新詩(しんし)を作りて桑薴(そうちょ)を継ぎ

垂虹秋色満東南  垂虹(すいこう)の秋色 東南に満つ

泛泛五湖霜気清  泛泛(はんはん)たる五湖 霜気(そうき)清く

漫漫不弁水天形  漫漫として弁ぜず水天の形

何須織女支機石  何ぞ須(もち)いん織女の支機石(しきせき)

且戯常娥称客星  且(いさ)さか常じょうが)に戯れて客星(かくせい)と称せん

時為湖州之行   時に湖州の行を為す


◇通釈(あきた弁ばーじょん)

洞庭湖さある 白い帆みでった ちぎれだ雲

鱸魚(すずき)の刺身だば 玉を割ったみでったども、柑は金割ったみでったぐきれーだ

へば、あだらしく詩つぐったら 機織りの仕事続けるべ

この垂虹亭さは 江南の秋が えっぺあるど

ぱんぱんじぐ 水ある五胡さ、霜の降るみでったぐ さび〜

へっへど ひれー水だば、空ど区別でげね

なして よんだべ、織女の機織りさ 使ったって言われでらった支機石が

しばらぐ天の川で嫦娥(月)と遊んでで客星って言うべ


蜀素帖筆路研究1

第60回「令和3年度全県新年書きぞめ展」の「高校・一般」半紙の部、漢字課題の米芾の書いた蜀素帖「呉江垂紅亭の作」の研究をします。最初に筆路研究をします。

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▲課題「蜀素帖」

▲筆路を研究してみた

2020年11月2日月曜日

美意識に殉じる

 秋田書道展が開催中です。4日まで、秋田市アトリオンです。私はエラそーに無鑑査会員で出品しています。タイトルは「決意 本気モード全開の書道ガールズへ」です。「私たちは諦めない 想いの華よ紙に咲け」と書いています。

▲「決意 本気モード全開の書道ガールズへ」

 その書道ガールズは日曜日に、野球でいえば甲子園予選、運動部でいえば全県総体にあたる高校総合美術展書道部門への出品作品の清書を終えました。この展覧会で来年和歌山で開かれる全国総合美術展に出品する「秋田県代表4点」が選出されます。

 さあ、清書が終わってからは私の仕事です。今まで作品添削に追われて、制作が遅れに遅れていた印19顆を昨日と今日で一気に彫ったので清書作品に押します。今日の早朝、なんとかミッション終了しました。
 私は「しっかりとした印をキッチリ押している作品はウマい」と思っているので、生徒作品の印は私がキッチリと押しています。しかし、そのような美意識を持っている人が書いた作品に、自分で印を押すから作品がウマいのであってこれだとダメじゃん。って最近、それに気がつきました。

 とにかく、生徒作品の漢字用の印を8顆と、調和体の印を11顆を清書の最終選別と平行して二日間でしあげました。そのたの、腕からなにからバキバキです。私たちは漢字の印は一寸(一片が3センチ)を使っているので、そのまま調和体の作品に押すと違和感があります。そのため、調和体の作品には現代的な作風で、八分(24ミリ)の印を使っています。
 今日の朝一番で、表具屋さんに無事印を押した作品を届け、授業に間に合うように高速道路を学校へと向かっていました。その途中で高速道路の横の空中を、昭和の汽車が走っているのが見えました。まるで、銀河鉄道です。もしかして、居眠り運転でもしてお迎えか?とも思いましたが、そんなことはなく無事学校に着き4時間目で蘭亭序の授業をしました。
 生徒が全力で作品を作品を書いたので、私も全力でそれを応援しよう。そう考えて印を彫ることにしています。生徒作品に直接私が筆で手を加えることはできませんが、それに押す印を彫ることはおっけいです。F1ではシャーシはシャーシ、エンジンはとエンジンと別々のメーカーが担当してますが、フェラーリだけはシャーシもエンジンも両方自分たちで作っています。
 「お手本も印も」と高校書道界のフェラーリを目ざしましたが、お手本も印もちょっとぺたっぴで「へらーり」です。



2020年10月21日水曜日

書道でもしてみんとてするなり

 芸術科書道の授業でICT化進行中デス。1年生の授業では篆刻が終わって、行書の学習へと進んでいます。行書の学習では蘭亭序の鑑賞と臨書から始めています。

 今週の学習目標は「点画が連続してる?」です。学習目標を疑問形にしているのは、問いかけられることにより学習目標を自分のことと自覚するためです。お手本は書かないという先生もいらっしゃいますが、私は参考手本は「書く派」です。生徒は蘭亭序の324字から、自分で書きたい連続する2文字を選び書いてみました。それを元にして参考手本を書き、名前も行書で書きました。今後、作品に書く名前はもちろん、校内でプリントやテストに書く名前も行書で書くことにします。

 せっかく生徒一人一人に参考手本を書くのだから、書くところを録画してYouTubeにアップします。そして、いつでも自分の選んだ文字の書くところ見られるようにしました。授業中は1台しかないiPadを回して見ています。あまりいないと思いますが、自宅でも自分のスマホで見ることができます。
 今年は大学受験の面接もネットで行われるので、その対策としてリングライトをア○ゾンでポチッとしました。夜の揮毫撮影では筆の影が出るので、リングライトを使ってみました。
▲リングライト導入

 

▲蘭亭序参考手本

2020年8月31日月曜日

秋田の書展

 秋田市アトリオンで開催されている「秋田の書展」に出品しています。見所はアマビエの印です。疫病退散。




我が校の普通

 書道担当教員としては「※じょさねぐ」何でも書くようにしています。先週は学年PTAがあったので、その校内案内掲示を書きました。また、今年はコロナの影響でありませんが、体育館で講演会がある時にはステージの端に縦4mでその演題を書きます。校外からいらした講師の先生はその演題に驚きますが、本校生徒は何とも思っていないようです。それが普通なので。

※じょさねぐ:造作なくーたやすい様









2020年8月27日木曜日

思惑

 書道パフォーマンスの練習は普段書道室でしています。天井の高さの制限があるので、作品を立てて出来上がりを見ることができません。練習の成果を写真にとりますが、斜めからだし一度に全体が入りきりません。

 そこで作品を「真上」から大きな作品を撮影しようとドローンを導入しました。ま、オモチャみたいなもんですけど。
 昨日の6校時、これから就職・公務員試験に挑む3年生の激励会がありました。私は横8mの巨大応援メッセージを書きました。今日はそれをドローンで撮ってみました。1枚目のメッセージが斜めになっている写真は下から撮影したもので、2枚目と動画がドローンの映像です。一応、取扱説明書には4Kって書いていますけど。
 私の予定では書道パフォーマンス練習の大きな作品を真上から撮影して、書道部での練習に使う予定でした。また、建て替えが決まっている現校舎を、いろいろなところから撮影して記念に残そうという予定でした。
 これ、どうやって真下を撮影するんだろう?


▲下からスマホで撮影した画像

▲ドローンで撮影した画像


▲ドローンで撮影した動画
この後、操縦が下手すぎて壁に激突して墜落した

2020年8月22日土曜日

鋼鉄の意志

 先週の木曜日、校内放送による2学期始業式、からの実力テスト2日間、からの土曜日は模試、からの月例競書雑誌の〆切という過酷な日程を消化している部員たち。模試終了後に清書と取り組んで、部員が帰ってからが私の時間。

 秋田書道展用の参考手本を書きながら「よぉ~し、調子出てきたぞ~」と思ったら、いきなりの窓を振るわせる破裂音。「うぉ~、やめてくれ、今、私はこれを書きたいのだ、部員にお手本を配るのだ、そんな音で誘わないでくれ~」
 近くで【日本の花火「エール」プロジェクト 大曲会場】の花火ががんがん打ち上がります。それでもお手本は書き続けましたとさ。


▲調子が出てきたところに

▲近くで誘惑が

▲「ほ~ら、きれいだよ、見て見て」


2020年8月4日火曜日

ベルリンの壁

 8月4日からはなびアムで「市内高校作品展」が開催され、若いエネルギーが満載です。大曲高校書道部は縦2m横9mの巨大作品をはじめ60点を出品しています。どうぞご笑覧ください。

花火のまち大仙 市内高校作品展
会期 令和2年8月4日(火)~10月11日(日)
   午前9時~午後4時
   休館日/毎週月曜日(8/10、9/21は閉館)
   8/11、9/23は休館
会場 はなび・アム別館
大曲高校   美術部、写真部、書道部
大曲工業高校 美術部、写真部
大曲農業高校 美術部、写真部
西仙北高校  美術部、書道部
 大曲高校は美術部が14点、写真部が18点、書道部は60点を出品しています。ガラスケース内作品は縦2m横9mの作品で、大曲の花火オープニングを飾る津雲優さんの「夢の空」の歌詞を書道部全員で書きました。
 また、会期後半には大曲農業高校と大曲工業高校の写真部作品が加わるので、それまでのツナギで私が佐藤勲さんの言葉を書きました。ベルリンの壁が崩壊する2年前、ドイツに花火をあげに行った佐藤さんの有名な言葉です。
▲佐藤勲さんの言葉

ベルリンの地上には
壁はありますが
空には壁はありません

日本の花火は
どこから見ても
同じく見えます

西のお方も
東のお方も
楽しんでください


▲縦2m横9m 大曲高校書道部全員による巨大作品
場所ふさぎにケース内に私が書いた小品が置いてある




2020年7月28日火曜日

エール

 今朝の秋田魁新報紙上の『県内文化部特集』に「2020こうち総文(総合文化祭)」の書道部門に出品する大曲高校3年生作品が掲載されています。青麻会は応援の広告を出しました。大曲高校にしか出せないようなデザインにしようと「舞」を書きました。

▲大曲高校にしか出せない応援メッセージをめざして


2020年7月27日月曜日

今朝の毎日新聞

 今朝の毎日新聞に「2020こうち総文」書道部門に出品する大曲高校3年生の作品が掲載されています。昨年秋に、秋田県代表4点が選出されました。

 また、それを応援する青麻会も応援の広告を出しました。さらに、普通の応援メッセージだけではなく、他校にはできないような広告を目ざし「夢」を書きました。
▲2020こうち総文 出品作品

▲同窓会の出した応援広告を書きました

▲多くの応援をいただいて


2020年7月24日金曜日

挫折禁止

 この4連休、書道部は休みなしでフル活動。明日の午後は体育館が半分空いていたので、部員総出で来月から”はなびアム”で展示する巨大作品を書きます。紙の大きさは縦2m、横9mの超ビックサイズ。

 これはなかなか大変だと、実物大参考手本を書きました。書き終えて満足感に浸り読み返してみると、なんということでしょう。2行抜けていました。どうりで、ミョーに紙があまっていたわけだ。
 遠くに行きすぎた気持ちを呼び戻し、部員に抜けた部分の紙を貼り直してもらい書き直しました。
 今日は靴下を持って裸足で登校し、学校で「さあ、靴下はこうかな」と思ったら私の五本指ソックスは両方とも”右”でした。ちゃんちゃん。
 なんか、多いんだよななぁ~、最近、こーゆーことが。


▲実物大お手本 2m×9m

▲サビの部分

▲構成を工夫して

▲右足だけの五本指ソックス