2020年4月28日火曜日

高校生になったみなさんへ

【書友6月号】半紙一般級位解説

 高校生になって書道部に入ったみなさん、小学生中学生から引き続き書道を続けているみなさん、新しい書道の世界をご案内します。


1 書写と書道の違い

 学校では書写は学校での時間割で、何の教科の時間に学習しましたか。今まで小学校や中学校の書写は国語科で、文字を正しく整えて速く書くことを目標にして学習してきました。

 国語の時間で学習した書写に対して、高校での書道は芸術科の時間に学習します。芸術科には「音楽」「美術」「工芸」「書道」の科目があり、ここから選択できるようになっています。学校によって開講している科目が違うので、必ずしもこの4科目からの選択とはいかないことがあります。学校として全員音楽を選択している学校もあれば、音楽と書道からの選択や音楽と美術からの選択、音楽と美術と書道から選択できる学校もあります。

 これから皆さんが取り組む書道は確かに書写と用具等は同じですが、その内容は全然違います。そして、書道の目標は「自己表現」です。自分の気持ちを文字としてあらわし、筆と墨という用具で表現します。そしてそれを鑑賞することは共感することです。

2 知っておきたい書道用語

 下の書道用語はこれから書道を学ぶにあたって、よく使われる用語であるのでしっかり理解してください。そして、書道用語を使えるようにしましょう。

 「古典」古人の書いた優れた筆跡。
 「臨書」古典を手本として習うこと。またその作品。
 「創作」自らの創意工夫に夜表現。
 「落款」署名と印。
  

3 古典って何だ、臨書って何だ

 「古典」と聞くと皆さんは「源氏物語」や「枕草子」などを思い浮かべるでしょう。しかし、書道では「古人の書いた優れた筆跡」を「古典」と言います。そして、それを手本として習うことを「臨書」と言い、書いたその作品も「臨書」と言います。古典と言われるには「古人が書いた」ものであり、さらに「優れた」筆跡であることが条件です。

4 コリン星から来なくても

 書道の作品は「本文と落款(らっかん)」で構成されています。落款は「署名」と「印」です。つまり、書道の作品は「本文・署名・印」がないと完成ではありません。よく署名をせずに本文だけをお稽古をしている人を見かけます。しかし、署名も書道作品の重要な構成要素なので、1枚本文を書いたら必ず署名も書きたいものです。

 書道作品の署名は、小学生や中学生ではフルネームを書いていました。高校・一般では苗字は書かずに名前だけを書きます。苗字だけの署名はありません。そして、臨書の場合には臨書であることを示すために名前の下に「臨」と書きます。そのため、真理さんは日本人でも「真理臨:マリリン」となりますし、凛さんは「凜臨:リンリン」になります。そして、優子さんはコリン星から来なくても「ユウコリン」になります。ずぅ〜っと前、上野動物園にリンリンというパンダがいましたね。

書道あるある
 ⭐️署名のうまい人の作品はだいたいうまい。
 ⭐️印をきっちり押している人の作品はさらにうまい。

5  書道の最終目標


 なぜ臨書をするのでしょうか?
臨書の目的はたくさんあります。それぞれの学習段階や求めるものによっても目的は違います。皆さんの臨書の目的は
「よく観察するため」
「上手な筆遣いができるようにするため」
「視野を広げるため」
です。見ているようでよく見ていないのが観察です。しかし、それをお手本として書こうとするためには、一画一画隅々までよく観察しないといけません。

 そして、書道の最終目標は「創作」です。創作とは「自らの創意工夫による表現」です。臨書によりそれぞれの古典のエッセンスを取り入れ、それを自分の中で再構築して独自の書風を編み出すのです。自分の世界を切り開くため臨書は必要です。

寝ない亀が一番早いのだ

小学生の頃からこの書友の雑誌で書写のお稽古をしてきた皆さんへ。

新しい世界への挑戦

 長い間書道塾で書写のお稽古をしてきて、中学生で10段まで上り詰めた人はたくさんいると思います。そして、今までに色々な展覧会に出品して、素晴らしい賞を受賞した人もたくさんいると思います。それは大変に素晴らしいことです。

 でも、いつまでもその上にいてはいけません。それはそれです。いつまでも過去の栄光に縋り付いては成長はありません。上にも書いているように、書写と書道は別物です。過去の栄光はいったん置いといて、新しい気持ちで書道と向き合ってください。

次世代の指導者への期待

 皆さんはもともと基本的な技術が身についているので貪欲に新しい世界に挑戦しると、今まで見たこともないような書道の世界でさらに表現の可能性が無限に広がります。さらに、大学には書道科があってさらに専門的に書道を学ぶことができ、表現の幅も進路選択の幅も広がります。そして、これからの秋田県書道界や我が国の書道界をリードしてください。

 そして、昔から「書は人なり」と言われます。人間力の向上が作品のレベルを上げます。普段の生活=書道の稽古です。人生においてズルせず誠実に生きれば、作品にもそれが現れます。


高校から書道と取り組む皆さんへ。

心配無用

 よくぞ新しい世界へ飛び込んでくれました。ものすごく勇気が必要だったでしょう!その勇気はとてもスゴいと思います。しかし、思い切って新しい世界に飛び込んだはいいが、周りのお友達や先輩はみんな見るからに作品は上手なので、「書道なんてやらなければよかったカナ」と心配しているかもしれませんね。

 でも、何も心配することはありません。高校生の感受性と吸収力はとても素晴らしく、あっという間にみんなに追いつきます。保証します。だから、いじけたり卑下したりせず、焦らずに地道にお稽古していきましょうね。寝ない亀は早いのだから。

継続する力

 昔から「好きこそものの上手なれ」と言います。好きなことはいくらでも続けられるし、お稽古も苦ではありません。月並みですが、自分の「可能性」と書道を選んだ「先見性」を信じお稽古してください。「継続は力なり」という言葉があります。継続することでそのものの力量は高まります。そして、「継続する」という力も身につきます。高校生から始めた書道をこれから一生続けていってください。

 そして、昔から「書は人なり」と言われます。人間力の向上が作品のレベルを上げます。普段の生活=書道の稽古です。人生においてズルせず誠実に生きれば、作品にもそれが現れます。

2020年4月7日火曜日

入学式立看板


 入学式の立看板を書きました。また、毎年使い回しの式次第ですが、今年は短縮バージョンなので例年と次第が違います。そこで、式次第も書き直しました。そして、同窓会の祝詞も書きました。

▲校門前立看板

▲アップで

▲廊下で書いて

▲同窓会の祝詞

▲式次第すぺしゃるばーじょん

2020年4月1日水曜日

ええ~っ

 美郷町仙南にある「道の駅せんなん」。雁太郎君のモニュメントのプレートは私が書いたものです。ところが、4月1日より「道の駅せんなん」は「道の駅美郷」に名称が変更になりました。私の書いたプレートは塞がれていました。