大曲高校は3月1日、卒業式を挙行した。厳かな空気の中、卒業生が名を呼ばれるたびに、一つひとつの返事が響く。だがその瞬間、式場の空気が一変した。
突き抜けるような、気迫あふれる声――。それは、ただの返事ではなかった。魂を込めた一声が、会場を震わせた。発したのは、書道部の3年生10名。鍛え抜かれた筆が生み出す力強い線のごとく、彼女たちの声は揺るぎなく、凛としていた。その響きは天井を突き抜け、心の奥に刻まれた。まるで筆が紙に命を刻むように。彼女たちは「いつも通りですけど」と平然と答えた。
「素晴らしい返事」――そんな陳腐な言葉では収まらない。それは、彼女たちの三年間の軌跡そのもの。筆を持ち、挑み続けた日々のすべてが、一声に凝縮されていた。会場中の心を打ち震わせた、あの返事。彼女たちの高校生活は、まさに部活動と共にあった。そして、その魂のこもった一声が、未来へと羽ばたく彼女たちの門出を鮮やかに彩った。
0 件のコメント:
コメントを投稿