2025年3月3日月曜日

復活の歌声――伝統が息を吹き返す瞬間

卒業式の終幕にふさわしい、あの歌声が帰ってきた。

途切れた伝統が、ついに蘇ったのだ。


50年、いや、それ以上の歳月を超えて受け継がれてきた旋律。卒業式の最後を飾る「卒業の歌」。その歌は、幾世代もの卒業生たちの旅立ちを見送ってきた。しかし、コロナ禍がもたらした沈黙が、その響きを奪った。制限された出席者、縮小された式典、そして封じられた歌声――あの時、校歌は音を失った。


だが今年、ついにその沈黙が破られた。

50年前から同じ曲、同じ曲順、同じ楽譜。響き渡るハーモニーは、ただの歌ではない。これは、母校の誇りであり、卒業生の決意であり、50年を超えて受け継がれる魂そのものだ。


高校数あれど、卒業式に校歌を混声四部合唱で歌える学校がどれほどあるだろうか。

それができるのが、この学校なのだ。


歌声が天井を突き抜け、式場に広がる。

その瞬間、時代を超えてつながる想いが、ひとつになった。







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