2025年3月31日月曜日

担任名、手書きにて。

毎年の恒例行事となっているが、今年もありがたく出席簿の担任名を書かせていただいた。今の時代、テプラを使えば一瞬で済むだろうに、毎年こうして筆をとらせてもらえるとはなんともありがたいことである。


この出席簿、実はなかなかのタフなヤツで、一日たりとも休まず毎時間使われる相棒である。そこで昨年からは「布書き用墨」を使用してみたところ、これがまた実に優秀で一年を通して文字がかすれることも消えることもなかった。


ただし、ひとつだけ難点がある。出席簿の表面、なにやらコーティングされていて墨をまるで弾く。まるで「書かせるもんか!」と言わんばかりである。そこで、書く部分にはあらかじめ消しゴムをかけるという裏技(?)を編みだし、そのように書くと墨も素直にのってくれる。


最近はうっかりミスが増えてきているので、全クラスの担任名を間違えずに書き終えたときは思わず「よしっ」と小さくガッツポーズ。誰も見ていなかったのが少し残念だったけれど。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年3月29日土曜日

書道部のエコな日常

大曲高校では学習活動の一環として新聞を活用しており、学年ごとに複数紙を定期購読しています。各フロアのコモンスペースには新聞がそっと置かれ、生徒たちはまるでコンビニ感覚で自由に記事を手に取ることができます。


図書館でも多様な新聞が購読され、一定期間保存されたのち、書道部がありがたく譲り受けています。さらに、各学年で使い終わった古新聞は、書道パフォーマンスの練習用紙として、第二の人生(?)を歩んでいます。


書道部では、書き損じた紙もすぐにはサヨナラしません。反故紙は「まだいける」と信じられる限りリユースされ、筆の練習に再登板。また、使い終わったガムテープの芯も、ただのゴミではありません。「緑の地球を守る運動」に参加し、立派な資源として再び社会に貢献しています。


限りある資源に感謝しながら、私たちは今日も真摯に「書」と向き合っています――紙にも、地球にも、やさしさを忘れずに。

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2025年3月28日金曜日

さまざまな愛の形

お世話になった方への感謝を、どう伝えようかと考えた。言葉を尽くすだけでは足りない。何を贈るべきかと悩んだが、私は書道をしている――ならば、筆で想いを届けよう。

色紙に向かい、ただ「愛」と書くだけでは物足りなかった。同じ形の愛では、私の想いは収まらない。ならば、愛の多面性を筆に託そう。激しく燃え上がる愛、静かに包み込む愛、支え合う愛、祈るような愛、一本の筆で、幾通りもの愛を刻んだ。

この色紙が私の感謝を語り、届けてくれることを願っている。




2025年3月27日木曜日

筆はノリと勢いで

送別会の横看板を書いた。毎度のことながら犬がマーキングするみたいに、自分の縄張りを主張するように筆を振るう。ついでに、大きな字を書く稽古にもなるので一石二鳥!

さて、会場で改めて眺めてみると……うん、いつものことながら、どこかチグハグ。でもまあ、それはそれで!どう書けば一体感が出るのかと、客観的に観察している。

最近は、画が潰れたり、ちょっとしたミスが目につくことも増えてきた。そこで、修正液を常備するという知恵をつけた。遠目なのでバレないようにササッと直せば問題なし!(たぶん)

書風は気分次第。今回はきっちり楷書で決めたけれど、次の歓迎会は、これでもかというほど流麗な行書にしてみよう。いや、むしろ現代風に攻めるのもアリかも?……なんて考えつつ、次の機会を楽しみにしている自分がいる。



2025年3月26日水曜日

感謝の響き

大曲高校書道部は3月25日、グランドパレス川端で開かれたロータリークラブの例会にて、感謝の想いを込めた書道パフォーマンスを披露しました。私たちが全国の舞台で挑戦できるのは、支えてくださる皆様のおかげです。その恩に報いるべく、一筆一筆に心を込め、言葉では伝えきれない想いを、躍動する筆跡に託しました。


また、例会に出席された方の中には、先日の大仙市誕生20周年記念式典にもご参列された方がいらっしゃり、「部長の返事が素晴らしかった」と、過分なお褒めの言葉をいただきました。厳粛な式典の場で、私たちの想いが言葉としても伝わったことを知り、深い感慨に包まれました。


書の力は、ただ美しい文字を綴ることにあらず。書き手の心が宿り、人と人とを結ぶもの――。私たちは、これからも書の道を究め、その一筆で、支えてくださる方々への感謝を紡いでまいります。




2025年3月23日日曜日

感謝と誇りを胸に

令和7年3月22日、大仙市大曲市民会館で開催された大仙市誕生20周年記念式典において、私たち大曲高校書道部は感謝状を賜りました。このような光栄な表彰を戴き心より感謝申し上げます。


式典では書道部部長が感謝状を受け取る際、呼名に対しいつもの通りの返事をしました。すると、会場にいらした皆様から「返事が大変立派だ」とお褒めの言葉をいただきました。日頃の稽古の成果をこのような形で評価していただき誠に光栄です。


私たちは地域の学校として学びの場を大切にし、書の道に励んでまいりました。これからも、その歩みを止めることなく、全力で目標に向かって努力を重ねていく所存です。また、大仙市のさらなる発展のために微力ながらもできる限りの協力を惜しまず、地域に貢献してまいります。


このたびの表彰に改めて感謝申し上げるとともに、これからも大仙市とともに歩んでまいります。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年3月21日金曜日

夢と書のステージ

 大曲高校書道部は昨日開催されたダイヤモンド☆ユカイさんのトーク&ライブに出演し、映画『トイ・ストーリー』の主題歌に合わせた書道パフォーマンスを披露した。私たちは映画のキャラクターになりきり、衣装もそろえておもちゃの世界を表現。ステージの上で歌と書が一体となる、ワクワクするような時間を創り上げた。


会場はダイヤモンド☆ユカイさんの歌を楽しみに来たお客様ばかり。そんな中、おまけのように出演した私たちにも温かい拍手と言葉を送ってくださり、ユカイさんご自身も書道を嗜まれていることもあって作品をご覧になり「いいねえ~!」と優しく励ましてくださった。熱いロッカーの歌声は音波とともに、魂まで会場を満たした。その言葉に背中を押され緊張も吹き飛び、心から楽しむことができた。書と音楽の力で観客とつながる――そんな夢のようなひとときは、忘れられない貴重な経験となった。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年3月18日火曜日

魂の響宴 ダイヤモンド☆ユカイ × 大曲高校書道部

 大曲高校書道部は3月20日(春分の日)に開催される ダイヤモンド☆ユカイさんのトーク&ライブ にゲスト出演し一緒に書道パフォーマンス を行います


今回のステージではユカイさんの熱い歌声にのせて、書の躍動感を表現!観客の皆さんと一体となって楽しめる、新たなコラボレーションをお届けします。ユカイさんの魂の歌声と、私たちの書が生み出す熱い瞬間をお見逃しなく。


イベント詳細

日程:令和7年年3月20日(祝・木)

午後1時からの昼の部と、同6時からの夜の部の2部構成。

会場:大仙市「フォーシーズン」


#ダイヤモンドユカイ #トークライブ #書道パフォーマンス #大曲高校書道部 #春分の日スペシャル




2025年3月16日日曜日

筆に託す想い

書道部の稽古は、何も展覧会へ出品する作品を仕上げることだけではない。卒業式、私たちは運動部が練習試合を重ねるように、校内に掲示するさまざまな書を手がけた。


保護者控室や来賓控室のお祝い、先輩方への感謝の言葉――これらはすべて、筆を執り一文字一文字を部員全員で担当し想いを込めてしたためた。さらには、市道に面した書道室の窓にも、通りゆく人々へ向けたメッセージを掲げた。


もちろん、先輩への感謝を込めた作品の出来栄えも重要である。しかし、それと同時に、自らの書を冷静に見つめ、客観的にその筆致を省みることもまた書の修練には欠かせない。


校内での案内掲示はすべて私の筆によるものである。人の手によって生み出された文字には、機械には決して生み出せない力が宿る。そこに息づく温もりと想いこそが、書をただの文字から、心を伝えるものへと昇華させるのだ。










2025年3月11日火曜日

終わりと始まり

色々なご意見はあると思うが、私は手本は「書く派」である。8月には秋田県では全県高校席書大会が開かれ、その参考手本を書いた。


大曲高校書道部では、お手本を選ぶ際にドラフト制度を取り入れている。自分が書きたいと思うものを自ら希望し、選択する。この8月の大会をもって、3年生は部活動から引退しそれぞれの希望する進路へと歩み出す。そして、展覧会の会場にて引退セレモニーが行われ、3年生から2年生へとリーダーが引き継がれる。


先輩たちが築いた軌跡の上に、新たな筆跡が刻まれる時。

受け取ったバトンは、単なる役割の継承ではない。

共に泣き、笑い、励まし合った日々が、次の世代へと託される。


震える筆先が描く最後の一筆。

それは、未来への希望と誓いの証。

新たな物語が、そこから始まる。



2025年3月6日木曜日

卒業の証を包むもの

 大曲高校同窓会青麻会から卒業生へ贈る記念品は、特別な卒業証書ホルダー。二つ折りの仕様ながら、マチがあるため折り目をつけずに収納できる工夫が施されている。


卒業証書は、本文も記名も、そしてそれを包む表紙に輝く金文字も――それを記したのは、大曲高校の卒業生である私。
母校への誇りと、旅立つ後輩たちへの祝福の想いを込めて、一筆一筆、心を尽くした。

卒業という大切な節目に、自分が身につけた技術で関わることができる幸せを、改めて感じる。学び、積み重ねてきたものが、こうして形となり、後輩たちの門出を彩ることができるのは、この上ない喜びだ。このホルダーが、卒業証書とともに、それぞれの未来へと続く大切な証となることを願っている。






2025年3月3日月曜日

復活の歌声――伝統が息を吹き返す瞬間

卒業式の終幕にふさわしい、あの歌声が帰ってきた。

途切れた伝統が、ついに蘇ったのだ。


50年、いや、それ以上の歳月を超えて受け継がれてきた旋律。卒業式の最後を飾る「卒業の歌」。その歌は、幾世代もの卒業生たちの旅立ちを見送ってきた。しかし、コロナ禍がもたらした沈黙が、その響きを奪った。制限された出席者、縮小された式典、そして封じられた歌声――あの時、校歌は音を失った。


だが今年、ついにその沈黙が破られた。

50年前から同じ曲、同じ曲順、同じ楽譜。響き渡るハーモニーは、ただの歌ではない。これは、母校の誇りであり、卒業生の決意であり、50年を超えて受け継がれる魂そのものだ。


高校数あれど、卒業式に校歌を混声四部合唱で歌える学校がどれほどあるだろうか。

それができるのが、この学校なのだ。


歌声が天井を突き抜け、式場に広がる。

その瞬間、時代を超えてつながる想いが、ひとつになった。







2025年3月2日日曜日

魂の返事

 大曲高校は3月1日、卒業式を挙行した。厳かな空気の中、卒業生が名を呼ばれるたびに、一つひとつの返事が響く。だがその瞬間、式場の空気が一変した。


 突き抜けるような、気迫あふれる声――。それは、ただの返事ではなかった。魂を込めた一声が、会場を震わせた。発したのは、書道部の3年生10名。鍛え抜かれた筆が生み出す力強い線のごとく、彼女たちの声は揺るぎなく、凛としていた。その響きは天井を突き抜け、心の奥に刻まれた。まるで筆が紙に命を刻むように。彼女たちは「いつも通りですけど」と平然と答えた。


 「素晴らしい返事」――そんな陳腐な言葉では収まらない。それは、彼女たちの三年間の軌跡そのもの。筆を持ち、挑み続けた日々のすべてが、一声に凝縮されていた。会場中の心を打ち震わせた、あの返事。彼女たちの高校生活は、まさに部活動と共にあった。そして、その魂のこもった一声が、未来へと羽ばたく彼女たちの門出を鮮やかに彩った。