竹村天祐の書の世界をご案内します。
トンネルを拔けると、そこは雪國であつた。降りしきる雪に音を吸はれた靜寂の中、大曲高等學校書道部を乘せたバスは、ひつそりとした山間の道を進んでゆく。車窓に映るのは、何處か懷かしい家々の風景。次第に故鄕の氣配が濃くなり、遠く離れてゐた日常が靜かに手元へ戻り始める。書に込めた熱意とともに過ごした決勝大會の時が、ひとつの輪となつて胸の內に刻まれるやうであつた。
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