2021年1月29日金曜日

みっしょんこんぷりーと

  先輩から頼まれていた例のブツをようやく完成させました。ずっと書かなければと気にはしていましたが、どのように表現したらいいのかの方針が決まらずそのまま熟成させていました。

 昨日「はっ」とひらめくことがあり、ようやく取りかかりました。今回のポイントは用具のチョイス。たまたま手に入れた随分枯れた因州和紙に書きました。書道では長期間保存し、水分が抜けた紙を「枯れた紙」といい、その紙には独特の味わいが出ます。保存中湿気た紙は「かぜをひく」といいます。
 1枚は隷書というご指示でしたが、最近多い多いんです、こんなミスが。脱字です。何枚も書き終えて「おやっ、マスが余っている」と思うと抜けています。注意しててもこれだもんなぁ。まったく、もぉ。もう1枚は「好きなように書いてよい」ということでしたので、得意の上から下まで転げ落ちるような字間を詰めた行草体で書きました。先輩、気に入ってくれるといいなぁ。
 印はおにゅーで使い初め。キッチリと押して「よし、決まった」

▲左:脱字克服  右:転げ落ちるように書く


▲おニューの印

▲こちらもおニューの印


2021年1月24日日曜日

清書完了

  がんばりました、部員も私も。怒濤の清書週間を乗り切り、書き初め展へ無事作品を提出しました。2年生は普段から競書雑誌で仮名細字と取り組んでいましたので、仮名細字へも出品もしました。

 大曲高校書道部の部の印は、どなたが刻したかわかりませんが木印です。私が高校生の時から使っているので、大曲高校書道部部員の渾身の清書作品と50年近く(あるいはそれ以上)共にあります。私はこの印がとても気に入っているのでどんな作品にでも押せるように、同じデザインでいろいろな大きさの印を彫りました。左端がオリジナルの木印です。
 そこで、気がつきました。「仮名細字用の印をどうしよう」と。小さな印も刻していますが、仮名細字に押すのには少し違和感がありました。
 無いのなら つくってしまえ ホトトギス。
ということで、仮名細字用に小さなエレガントな印を刻しましたとさ。とっぴんぱらりのぷぅ。

▲完成した清書

▲半紙は漢字も仮名細字も

▲書道部伝統の印

▲左端がオリジナル木印、各種揃えました


2021年1月23日土曜日

「五人の書展」中止のお知らせ

  すでに案内葉書等でご案内しておりました「第20回記念 五人の書展」は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため残念ですが中止といたしました。




2021年1月20日水曜日

清書週間

  大曲高校書道部の今週は〆切が続く「清書週間」で、2つの書き初め展の〆切、競書雑誌の月例の〆切があります。2年生が一番提出作品数が多く漢字半切創作2点、漢字半紙臨書2点、仮名半紙臨書1点創作1点を仕上げます。

 昨日一つめの書き初め展の作品を清書しました。ポスターの展覧会に出品します。私はエラそーに役員です。完成した作品には書道部の印を押します。この印は私が高校に入ったときから使っているので、おそらく50年近く使っている木印です。どなたが刻したのかはわかりませんが、とても秀逸なデザインです。50年近く大曲高校書道部の歴代の部員が、全身全霊を込めて書いた清書作品とともにあった印です。
 部の印は白文に「学校名」朱文に「書道部」と刻している時が多いのですが、大曲高校は白文に「書道部」朱文には「恒(もしくは「亘心」)と刻しています。

▲書初め大会のポスター

▲印を押した清書作品

▲大曲高校伝統の印


人の書いた文字にはパワーがある

  ワープロの文字は揃っていて綺麗ですが、人が書いた文字にはパワーがあります。昔から「書は人なり」といい、文字にはその人の人柄や人生までもがあらわれます。味気ないワープロの文字より、人の書いた文字の方がアピール力があります。

 大曲高校芸術科書道では、3学期は漢字仮名交じりの書を学習します。その導入として秋田米の新品種「サキホコレ」の5文字をモチーフにして作品を書いています。紙面構成を試行錯誤し、楽しみながら作品制作しています。








2021年1月19日火曜日

出前授業

  今日の午前中、私は母校の仙北中学校へ書き初めの出前授業に伺いました。大曲高校書道部の2年生12名も一緒です。中学1年の書写の授業で「不言実行」を清書しました。

 高校生は1人で中学生が3名ほど担当して、中学生によく気を配っていました。普段、自分たちが気をつけて書いているところや、注意しているところなど的確なアドバイスをしていました。アドバイスすることは自分の作品制作に活かされます。
 2枚目の写真で展示されている書道パフォーマンスの作品が展示されています。この作品は昨年秋の仙北中学校の文化祭で、中学2年生と大曲高校書道部がコラボした時の作品です。




2021年1月18日月曜日

思いやり

  土曜日、日曜日と全国の受験生は全力を尽くし、関係の皆様は受験生がその力を存分に発揮できるようにサポートしてくださいました。

 試験を終えて帰校する3年生を、山岳部が明かりを灯したミニかまくらを作り迎えました。ちょっぴりそのお手伝いをしました。このような心配りができる山岳部はいいなぁ。












2021年1月13日水曜日

すみませんでしたぁ~

  最近、多いんです、こんなことが。

 私はエラそーに競書雑誌の同人をしています。毎月出品して〇がつくと級や段があがっていくアレです。優秀作品は写真版になります。
 今月号、私は半切の蘇軾(蘇東坡)が書いた黄州寒食詩巻の担当でした。昇級昇段現級を審査して、写真版の作品にはコメントを書きます。そのコメントに古典の筆者を「蘇軾」ではなく、何の疑いもせず「天才米芾」と書いてしまったのです、しかも、何回も何回も。
 (いいわけ)原稿を書いたその時期、大曲高校書道部は書き初めの課題の米芾の書いた「蜀素帖」練習の真っ最中で、授業でも蜀素帖の学習をしていました。そのため、私の頭の中は「天才米芾」のことで一杯でした。しかも、米芾を日頃から「天才米芾」と呼んで敬愛し、書道パフォーマンス作品の字を蜀素帖風にアンバランスにしてバランスをとる方法を研究している最中でした。
 頭の中「天才米芾」一色だったので、なんの疑いもなくコメントにはそれを連発してしまったのでした。すみませんでしたぁ~、蘇軾でした~。




2021年1月11日月曜日

「写」と「書」の未来展

  1月9日から秋田市アトリオンで「写」と「書」の未来展が開催され、そのオープニングで大曲高校書道部は書道パフォーマンスを行いました。

秋田魁新報 記事






2021年1月9日土曜日

高校生の躍動感

  なぜ、高校野球は人気があるのか。一塁は駆け抜けた方が早いのに、ヘッドスライディングをするのはなぜか。

 大曲高校書道部は今日、秋田市アトリオンで、文化庁主催の『「写」と「書」の未来展』のオープニングで書道パフォーマンスを行いました。実は5日の大仙市の書初めで同じ演目の書道パフォーマンスを行いましたが、私からみたそのデキは散々でした。
 次の日のミーティングでそのビデオを見た後に、一昨年の全国大会で優勝した学校の演技を見ました。そして「あの学校にあって私たちにできないことは何だ、足りないものは何だ、書道パフォーマンスで大切なことは何だ、高校野球で国民を魅了するものは何だ、と問いました。
 部員は気が付き実行しました。今日のデキで5日の100億倍くらいいい感じです、字は相変わらずヘタですが。いつも思うのですが、書道部の部員は「3言えば5わかって10できる」と思います。気がついて練習して結果を出した書道部の部員はよくやりました。と、同時に5日の最悪のデキの原因は、日々の小さいことを見過ごしてした私の責任だと痛感しました。









2021年1月8日金曜日

分けて食べる

  今までの書道部は個人の活動が中心でしたが、書道パフォーマンスは「書道部の団体戦」です。そのために、チームワークが必要になります。

 私たちはチームワーク強化のために、「分けて一緒に食べる」ことをよくします。夏にスイカを切り分けて食べたり、クリスマスにはホールのケーキを切り分けて食べます。今日は大鍋の豚汁をみんなで分けて食べました。
 大曲高校書道部は明日アトリオンで文化庁主催の「写と書の未来展」のオープニングで、能代松陽高校・秋田令和高校と一緒に書道パフォーマンスをします。優秀賞の写真からインスピレーションを得たことを書道パフォーマンスで表現します。
 豚汁、完食しました。




2021年1月5日火曜日

お正月は書き初め

  大曲高校には二代にわたって素晴らしい書道の先生が長年勤務されたので、そこから優れた指導者が育っています。そして、その先生方は市内でそれぞれの教室を開いて、そこで多くの子どもたちが学んでいるので大曲は大変書道が盛んです。

 今日は大曲体育館で「大仙市新春子ども書初め大会」が開かれ多くの子どもたちが参加し、その中で大曲高校書道部は書道パフォーマンスをしました。会場に掲げられた横看板は先月書道部の1年生が書いた力作です。



2021年1月4日月曜日

【書友2月号(令和3年)】一般半紙級位風信帖解説



 □釈文

風信雲書自天翔臨

披之閲之如掲雲霧兼

恵止観妙門頂戴供養

不知攸厝已冷伏惟

法體何如空推常擬

隨命躋攀彼嶺限以少

願不能東西今思与我金蘭

及室山集會一處量商仏

法大事因縁共建法幢報

仏恩徳望不憚煩勞蹔

降赴此院此所々望々忩々

不具  釋空状上

           九月十一日

東嶺金蘭 法前

            謹空


〇 読み(訓読)

風信雲書、天より翔臨(しやうりん)す。之を披(ひら)き之を閲(けみ)するに、雲霧を掲(かか)ぐるが如し。兼ねて止観の妙門を恵まる。頂戴供養し、厝(お)く攸(ところ)を知らず。已(すで)に冷(ひやや)かなり。伏して惟(おもん)みるに、法體(ほつたい)何如(いか)に。空推(うつ)ること常なり。命(めい)に隨ひ彼(か)の嶺(みね)に躋攀(せいはん)せんと擬(はか)るも、限るに少願を以てし、東西すること能はず。今、我が金蘭及び室山と一處に集會(しふゑ)し、仏法の大事因縁を商量し、共に法幢(ほふどう)を建てて仏の恩徳に報いんと思ふ。望むらくは、煩勞を憚らず、蹔(しばら)く此の院に降赴(かうふ)せよ。此れ望む所、望む所。忩々(そうそう)不具 釋空 状(しる)して上(たてまつ)る。

                         九月十一日

東嶺金蘭 法前

     謹空