□釈文
風信雲書自天翔臨
披之閲之如掲雲霧兼
恵止観妙門頂戴供養
不知攸厝已冷伏惟
法體何如空推常擬
隨命躋攀彼嶺限以少
願不能東西今思与我金蘭
及室山集會一處量商仏
法大事因縁共建法幢報
仏恩徳望不憚煩勞蹔
降赴此院此所々望々忩々
不具 釋空状上
九月十一日
東嶺金蘭 法前
謹空
〇 読み(訓読)
風信雲書、天より翔臨(しやうりん)す。之を披(ひら)き之を閲(けみ)するに、雲霧を掲(かか)ぐるが如し。兼ねて止観の妙門を恵まる。頂戴供養し、厝(お)く攸(ところ)を知らず。已(すで)に冷(ひやや)かなり。伏して惟(おもん)みるに、法體(ほつたい)何如(いか)に。空推(うつ)ること常なり。命(めい)に隨ひ彼(か)の嶺(みね)に躋攀(せいはん)せんと擬(はか)るも、限るに少願を以てし、東西すること能はず。今、我が金蘭及び室山と一處に集會(しふゑ)し、仏法の大事因縁を商量し、共に法幢(ほふどう)を建てて仏の恩徳に報いんと思ふ。望むらくは、煩勞を憚らず、蹔(しばら)く此の院に降赴(かうふ)せよ。此れ望む所、望む所。忩々(そうそう)不具 釋空 状(しる)して上(たてまつ)る。
九月十一日
東嶺金蘭 法前
謹空
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