2026年3月24日火曜日

人の手前にあるもの

 山はただそこにあるだけで、圧倒的である。だが、その手前には誰かの暮らしがある。柱を立て屋根をかけ、風を受けながら日々をつなぐ場所。

遠くの白さに目を奪われながら、人はその手前で生きている。

この距離こそが、風景の意味である。

(撮影地:大仙市・払田の柵)



2026年3月23日月曜日

流れの奥へ

雪に閉ざされた路地の奥で、

水だけが止まらずに動いている。

人の気配は薄れても、

この土地の時間はまだ流れている。



2026年3月22日日曜日

 光は触れられないのに、確かにそこにある。

(撮影地:秋田銀行旧本店)



2026年3月21日土曜日

ほどけゆく白

凍てついたものが、静かにゆるみはじめる。

流れは、季をほどいてゆく。

(撮影地:大仙市)



2026年3月20日金曜日

映る町

雪に閉ざされた通りは、

どこか時間を止めたように静かだった。

けれど、丸い鏡の内側だけは、

確かに町の続きが息をしている。

触れられない距離のまま、

そこにだけ、日常が残っていた。

(撮影地:横手市増田)



2026年3月19日木曜日

銀行のポスト

 明治の銀行営業室の奥に、

赤いポストが立っている。

床のタイルを渡って、

手紙は静かにそこへ向かう。

(撮影地:旧秋田銀行本店)



2026年3月18日水曜日

光の先

古い家の廊下を、低い目線でのぞいてみた。梁が重なり、まるで奥の光へ導いているようだった。建物の静かな呼吸が聞こえる気がした。