2025年6月7日土曜日

バラフェスタ2025で書道パフォーマンス

  6月8日(土)、秋田県立農業科学館で開かれた「バラフェスタ2025」のオープニングイベントで、大曲高校書道部がパフォーマンスを披露しました。毎週末、雨ばかりだったのに…今日はまさかの快晴!会場にはたくさんのお客さまが足を運んでくださり、午前・午後の2回公演ともに満席!本当にありがとうございます!赤と黒の衣装で咲きそろった「書道部の薔薇」たち。

 さらに今回は、なんと他県から旅の途中に立ち寄ってくださった方や、偶然通りがかった方まで私たちの書に足を止め、じっくりと見てくださったことがとても嬉しかったです。


 またどこかでお会いできたらうれしいです!


#大曲高校書道部 #書道パフォーマンス #バラフェスタ2025

#秋田県立農業科学館 #高校生の挑戦 #芸術っていいな

#赤と黒の衣装が目印 #晴天のバラ日和 #薔薇と書道の共演

#偶然の出会いに感謝 #旅先の感動



2025年6月5日木曜日

ご結婚、おめでとうございます。

 ご結婚、おめでとうございます。

 ネットのニュースで拝見しましたが、大曲高校を平成30年に卒業され、マラソン日本代表としてパリオリンピックで堂々の6位入賞を果たした鈴木優花選手が、このたびご結婚を発表されたとのこと。

 本当におめでとうございます。

 6月の花嫁に、心からの祝福をお送りします。


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2025年6月3日火曜日

バラフェスタ×大曲高校書道部

 6月7日から22日まで開催される秋田県立農業科学館のバラフェスタ。約200品種・300株のバラが咲き誇る初夏の恒例イベントです。入場無料。

 そして、6月7日(土)、オープニングは大曲高校書道部による書道パフォーマンス。午前11時からと午後2時からの2回公演です。高校生たちがバラの香りとともにダイナミックに筆を走らせます。一瞬の静寂と一気の躍動、花咲く空間に響く“書の鼓動”を、ぜひ間近でご覧ください。


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2025年6月2日月曜日

六月の結び

 JR大曲駅・ハミングロードにて『竹村天祐書作展 書の歳時記』6月篇を展示中です。「田の神の風」「緑雨」に続く第三作めの今回の作品は《六月の結び》。展示期間は、長男の誕生日6月1日から私自身の誕生日である6月30日までの1ヶ月間です。

 今回の詩文にはお嫁さんを迎えた次男夫婦の名前をさりげなく織り込み、六月の風に願いを託しました。むかしから「六月の花嫁は幸せになれる」といいます。若い二人のこれからともに紡ぐ日が、穏やかな陽だまりとなりますように。

 お近くにお越しの際は、どうぞ駅で足を止めてご笑覧ください。


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2025年5月31日土曜日

お手本は書く派

 さまざまな考え方があるとは思いますが、私は「お手本は書く派」です。大曲高校芸術科の書道Ⅰ「楷書の学習」で登場するのは、書の世界のスーパースターたち。孔子廟堂碑、九成宮醴泉銘、雁塔聖教序、顔氏家廟碑。“唐の四大家”が残した名だたる傑作群です。

 その中から自分の「推し」を選んで、連続する2文字をピックアップして臨書。ここで大事なのが、“自分で選ぶ”ということ。与えられたものではなく、自分の目で「これだ」と見つける。だからこそ、「ちゃんと見る」。だから、観察力が育つんです。

 高校入学後、初めて臨書に取り組む生徒たちは、戸惑うことも少なくありません。だから私は、毎回お手本を書きます。もちろん、生徒たちの学習を支援するため。でも、どちらかといえば自分の稽古のためです。臨書のたびに新たな発見があり、己の不勉強を恥じるばかり。書いて、学んで、また書く。筆を持つたび、時代と向き合い、自分とも向き合っています。

#唐の四大家 #大曲高校書道部 #芸術科書道Ⅰ #高校書道 #大曲高校 #芸術科書道 #推しの書風 #臨書は観察力



2025年5月27日火曜日

書道室の配線革命

  書道室には大型モニターがあり、iPadやクロムブックの画面をみんなで映して見ています。でも、そのたびにHDMIをつなぎ直すのが面倒。しかも、ケーブルの端子もちょっとくたびれてきた感じ。そこで、ア○ゾンでHDMI切り替え器を購入!しかし、届いてみると「切り替え器までのケーブル」が別途必要という事実に気づきました。仕方なく100均の店で300円もする高級品のケーブルを調達。ただ、一番短くて1.5mでしかも2本なので、机の上がケーブルだらけに。

 やっぱり気になって、結局ア○ゾンで30cmのケーブル(しかも2本セット!)を追加購入しました。これでスッキリ。快適な配線環境に、小さな工夫が大きなストレス軽減につながりますね。


#書道部 #配線地獄からの脱出 #HDM切り替え器 #iPadとChromebook #Amazon購入品 #100均なのに300円 #ケーブル短くて正解 #書道室ライフ #便利グッズ紹介 #先生の工夫 #教室の裏側 #配線スッキリ計画





2025年5月24日土曜日

背景『オレだ』文字『いやワタシ!』書道部の静かなる戦い

 こちら「書道部FM・筆と音の交差点」から、イベント情報をお届けします。

「第51回 大曲高校吹奏楽部 定期演奏会」

日時:5月25日(日)13:30開演(13:00開場)、場所:大仙市大曲市民会館 大ホール


 書道部がエントランスにて歓迎の書を展示中!背景には“音の波”、文字には“歓びの響き”を込めたはず……だったのですが。

背景「ド派手にいくぜ!」

文字「こっちも負けねぇ!」

 結果、まさかの芸術的フルバトル勃発。協調性、ただいま特訓中。次回は“静と動のシンフォニー”、ぜひご期待ください♪

#大曲高校吹奏楽部 #定期演奏会 #書道部も参戦 #背景と文字がバトル中 #エントランスに注目 #書と音の共演 #芸術ってむずかしい #でも青春って楽しい #見に来てね #大仙市民会館



2025年5月21日水曜日

静けさの中で、記憶が揺れる。

 JR大曲駅にて開催中の《竹村天祐書作展 書の歳時記》、二作目《緑雨》。田を潤す、しっとりと優しい雨。その一滴一滴に、かすかな記憶が宿っているようでした。紙面には、色を重ね、露のきらめきを散らしました。音もなく降る雨が、心の奥をそっと叩く。そんな感覚を、書で表現しています。目には見えない「気配」や「静けさ」を、作品から感じ取っていただけたら幸いです。

 展示は6月1日まで。JR大曲駅ハミングロードにて。《田の神の風》とともに、季節を描いた二部作。ぜひ2作品あわせてご覧ください。JR大曲駅 ハミングロード


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2025年5月20日火曜日

季節のうつろいを

 JR大曲駅ハミングロードの展示棚にて巨大作品を展示して、《竹村天祐書作展 書の歳時記》を開催しております。この時期を思い浮かべると、「田植え」と「梅雨」が心に浮かびました。田に水が入り苗が植えられて一陣の風が吹き、一部の苗が順番にそよぐ。それはまるで、見えぬ神が田を渡っていくようでもあります。そして、水田にしとしとと雨が。

 一作目は、その思いを込めた《田の神の風》。「神去り風」と大書し、水面をなでて渡る風を、紙面いっぱいに水紋とともに描いています。見えない気配、移ろう気象、そして祈りのような沈黙を、書に込めました。

 二作目は、しっとりと降る命の雨を詠んだ《緑雨》。スプレーを重ね色の中に大粒の露を散らし、葉を濡らすしずくに空の記憶を映しました。展示は6月1日まで。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ足を止めてご覧いただければ幸いです。

 田と雨、風と露――季節が静かに語る言葉を、書で感じていただければと思います。


#書の歳時記 #田の神の風 #緑雨 #竹村天祐 #JR大曲駅展示 #書道作品展 #大曲 #大曲駅 #水田の風景 #季節のことば #calligraphy #artwork #shodo #書道





2025年5月18日日曜日

ところがどっこい

  テスト前で部活動お休み中に、大きな作品制作の依頼が舞い込んだ。「じゃあ、私がやるか」と引き受けたはいいものの、まず紙をつなぐ段階でつまずく。同じ大きさに切ったつもりが、なぜかズレる。重ねると歪む。しかも、厚くて重い紙は、手首痛とテニス肘持ちの身にはじわじわ効いてくる。……あっという間に汗だく。ここまでの準備だけで、かなりの時間がかかっていた。

 次に背景にはスプレーでぼかしを入れ、ハケで風紋を描く。これらはすぐに終わった。むしろ、書くのは一瞬だった。問題はその準備と片付け。絵具を洗って、筆を干して、バケツやスプレーを片づけて……終わらない。気づけば、何時間も経っていた。

 結局いちばん時間がかかったのは、書く前の「やる気を出す」工程だった。




2025年5月17日土曜日

初めて筆を持ったあの日から

  書道塾に通ったことがなくても、筆を握ってみたい。そんな思いだけで書道部の門を叩いた高校生たちがいます。しかし、秋田県では書道を専門とする先生がとても少なく、初めて臨書に取り組む生徒たちがどう進めればよいか分からず立ち止まってしまうこともあります。

 だからこそ、今回、他校の生徒たちから依頼があったので、席書大会の参考手本を書きました。2年生の課題は《風信帖》の一通目と二通目。文字数の少ない古典なので各校が同じ箇所を書かないよう配慮しつつ、表現効果の上がる箇所を選びました。そして、特に初学者の1年生には、筆の運びやすさと達成感を重視して、取り組みやすい部分を選んでいます。

 情けは人の為ならず。先生から自分が受けてきたご恩は、自分のところで止めず次に回していく。そうやって、書の灯が静かに、確かに、受け継がれていくのだと思います。


#書道部 #席書大会 #孔子廟堂碑 #風信帖 #書譜 #秋田の書道 #高校書道 #臨書の第一歩 #竹村天祐書道記念館新本館 #書道部 #席書大会 #挑戦の一歩




2025年5月16日金曜日

旧校舎が跡形もなくなってしまった

 旧校舎が跡形もなくなってしまった。

かつて、ここには1200人もの若人が切磋琢磨しながら、それぞれの生きる道へと巣立っていった。

新校舎に引っ越しして、旧校舎は跡形もなくなってしまった。

校庭の隅にあった桜も、放課後のざわめきを吸い込んだ廊下も、朝焼けを映したガラス窓も、いまはもうどこにもない。笑い声も、涙も、すべて風の中へ消えていった。私たちは、もうあの校舎には戻れないけれど、あの時間は、確かにそこにあった。たしかに、ここに、生きていた。夢を語り、悩み、もがきながら、明日を信じて歩いていた。それは、もう戻らない風景だけれど、私たちの心の中で、今も静かに灯り続けている。

#竹村天祐 #大曲高校 #青麻会



2025年5月15日木曜日

筆が届いた

 筆が届いた。

芸術科書道を選択している生徒用に名入れをお願いしていた筆が届いた。早速、授業で生徒に配布した。自分の手元に届いた途端珍しいものでも見るように、じっと自分の名前が刻まれた筆を見つめていた。


芸術の最終目標は自らの創意工夫による表現。「私たちはこの世にない作品をこれから作り出すんだ」と。その言葉に生徒たちはまるで自分の手の中に、まだ見ぬ何かの種が宿ったような顔をしていた。名入りの筆は道具であると同時に、創造の責任と可能性を預けられた相棒。これからその筆先でまだ誰も見たことのない文字と景色を描いていく。そんな予感が、静かに教室を満たしていた。

#書道パフォーマンス #書道部の団体戦 #竹村天祐 #大曲高校 #大曲高校書道部 #青麻会 #大東文化大学



2025年5月13日火曜日

アオハル書道! #3

このたび、秋田魁新報社が私たち大曲高校書道部に一年間密着し、その活動の様子を連載記事としてご紹介くださることになりました。そして一昨日、3回目の記事が紙面に掲載されました。今回取り上げていただいたのは「甲子園を狙い演技に熱」。書道パフォーマンス甲子園予選ブロックに挑む様子が記録されています。


秋田魁新報電子版

https://www.sakigake.jp/news/article/20250511AK0018/


#書道パフォーマンス #書道部の団体戦 #竹村天祐 #大曲高校 #大曲高校書道部 #青麻会 #大東文化大学





2025年5月11日日曜日

1年生の成長

本日、大曲高校では文化部芸術祭が開催され、オープニングを飾るのは、吹奏楽部の演奏とともに披露された書道パフォーマンスでした。


筆が走るたび、会場の空気が震える。

音と書が呼応し合い、紙の向こうに物語が立ち上がっていく。

そんな一瞬一瞬を、たしかに共有できた時間でした。


中でも、今日は1年生の姿が心に残りました。今回が初めての校外での演技。大きな市民会館、たくさんの観客、絶対に墨をこぼしてはならない緊張感のあるステージ。それでも彼女らは準備から演技、片付けまで、自分の役割をしっかりと果たしました。

おそらく、これまでは緊張で表情も固かったことでしょう。けれど今日は、演技を終えたあとに1年生の笑い声が響きました。その声には、自信と、仲間との一体感と、乗り越えた証がにじんでいました。書の上達ももちろん大切ですが、こうした経験こそが、彼らを育てていくと私は信じています。初めての舞台で流した汗と緊張は、きっと彼らの“書道人生”の原点になる。今日は、その始まりの日となりました。


#竹村天祐 #大曲高校書道部 #大東文化大学 #文化部芸術祭 #書道パフォーマンス #1年生の成長#青春の一筆 #はじめての舞台



2025年5月9日金曜日

紙の向こうに

今日から県南総体が始まり、運動部は各会場へ試合に出かけている。様子を見に行ったところ、体育館が空いていたため明後日の芸術祭に向けて書道部のリハーサルを体育館で行うことにした。


狭い書道室では紙を立てたり、紙のまわりでの演出を取り入れた動きのある表現が難しい。しかし、わが校の第1体育館は昭和46年頃に完成した古い建物で、窓の多くは壊れて開かず空気の通りが悪いため非常に暑い。さらに、外ではグラウンドの造成工事が行われており、非常口を開ければ騒音が響くという状況だ。


1年生たちは、先輩たちの動きに必死について行こうとしている。彼女たちに今必要なのは、とにかく「場数を踏むこと」。


汗がにじむたびに、紙の向こうに、自分たちの物語が少しずつ立ち上っていく。

#竹村天祐 #大曲高校 #大曲高校書道部 #青麻会 #大東文化大学





2025年5月8日木曜日

アオハル書道! #2

このたび、秋田魁新報社が私たち大曲高校書道部に一年間密着し、その活動の様子を連載記事としてご紹介くださることになりました。そして本日、2回目の記事が紙面に掲載されました。今回取り上げていただいたのは「新入部員」。入部の動機や、活動を始めたばかりの今の気持ちが紹介されています。


また、私たちは5月11日(土)、大仙市大曲市民会館で開催される「大曲高校文化部芸術祭」に出演します。吹奏楽部の演奏にのせて、オープニングを飾る書道パフォーマンスを披露します。開演は午後1時30分。ぜひご来場ください!

 https://www.sakigake.jp/news/article/20250507AK0020/



2025年5月7日水曜日

創作の苦しみ

同じ姿勢で卒業証書を書き続けていたら、右肘がじわじわと痛み出した。整形外科で診てもらうと、「書道部なのに、まさかのテニス肘ですね」との診断。筆をラケットに持ち替えた覚えはないが、どうやら肘だけはウィンブルドンを目指していたらしい。


さらに不可解なのは、何もしていない左手の手首まで痛みだしたこと。思い当たるのは、作品を書くときに体を支える左手。意識してパーではなくグーにしていたことかもしれない。重い物なんて持ったこともないボンボン育ちなのに、宅急便の荷物を持ち上げただけで両手そろってギブアップ。何の因果かペンを握るだけで満身創痍の生活に。


もはやこれは芸術家の宿命か、単なる老化か。いやいや、創作の苦しみだ。


#竹村天祐 #大曲高校 #大曲高校書道部 #青麻会 #大東文化大学



2025年5月6日火曜日

卒業生のがんばり

 大曲高校在学中は書道部部長を務め、卒業後は岩手大学人文社会科学部に進学。現在4年生の仮名作品が、大阪・関西万博の関連イベント「未来へつなぐ日本の書~空・海・時を超えて~」の一環として開催される書道展「日本の代表作家展-いのち輝く未来を“書”で描く~」に出品されます。


国内を代表する書家たちとともに、次代を担う若手として選出された彼女は、平安時代の仮名文字の美しさをテーマに、日本文化の魅力を書道を通じて世界に発信していきます。


詳細は今朝の秋田魁新報22面をごらんください。


https://www.iwate-u.ac.jp/info/news/2025/04/006782.html


#竹村天祐 #大曲高校 #大曲高校書道部 #青麻会 #大東文化大学



2025年5月5日月曜日

書のはじまり

新入部員が入部してくれたことを受けて、夏の席書大会に向けた参考手本を書いた。今年の一年生の課題は「孔子廟堂碑」である。さまざまなご意見もあるだろうが、私は「お手本は書く派」だ。

ウチの部ではお手本の選定にドラフト方式を採用しており、それぞれが自分の書きたいものを選ぶことにしている。

もともと私は短気で堪え性がなく、学生時代から「速筆」だと先生によく注意されていた。そのせいか行草体はよく書くが、楷書は正直あまり得意ではない。

それでも、新たな仲間たちに「書の入り口」を示すのが、私の役目だと思っている。


今年の1年生は、「書道をやりたくて大曲高校に入った」と嬉しいことを言ってくれた。頼もしく、今後の成長が楽しみであると同時に、その想いに応える責任の重さを実感している。


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2025年4月27日日曜日

誘惑

 誘惑


空が、裂けた。

見えない火が、

胸の奥を打った。

大曲の花火 春の章

急ぎの仕事の手が止まり、

冷えた風が頬をなでる。


しばし、

時の底に沈みながら、

遠い夜を聴いた。


「よし」と、

かすかな声で

自分を呼び戻す。


灯りの下へ、

仕事の海へ、

ふたたび沈んでいく。


それでも、

なお、

胸のどこかで、

遠い空が鳴り続けている。

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2025年4月25日金曜日

リトライのリベンジ

 桜が満開になった。が、天はなぜか曇天を選んでくる。せっかくの見ごろに、背景は一面のグレー。それでもめげずに撮影。…だが、やはり空が惜しい。2日後、ついに青空がやってきた。「これだ!」とカメラを手に再び校地へ。空と桜の共演――ようやく撮れた、“使える1枚”。


そして一昨日の夜、偶然の出会いが待っていた。外灯に照らされ、まるでライトアップされたような一本桜。「これはレアだ!」と3階の窓から撮影を開始。ISOを上げ、シャッタースピードをいじりながら、手持ち撮影に挑む。……と、そのとき無情にも外灯がタイマーで消灯。あえなくブレ写真の山を築く。


翌日、「二度あることは三脚ある」と意を決し三脚を導入。しかし、中古で購入のこの三脚、見た目はしっかりしているが、どこかガタつく。「手持ちよりはマシだろう」と言い聞かせつつ撮影。そしてようやく、夜桜との決着がついた。


ブレ気味の写真でございますが……そこは心眼で補正していただければ幸いです。見える人には、見えるのです。風に溶ける光と、咲き誇る春の記憶が。

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2025年4月22日火曜日

リトライ

祖父はただ農産物を育てるだけでなく、農作物を加工し納豆の製造と販売に挑みその道を切り拓いた人だった。私も、その血を受け継いでいる。だからこそ、私のモットーは「最後まで粘ってがんばる」だ。


新校舎建設のため校地の木々はすべて伐採された。だが、たった一本あの桜だけが残された。そして今、その桜がまるで使命を果たすように満開の花を咲かせている。


一昨日も昨日も曇天に光を奪われ、写真に収めようとしてもどうしても満足のいく一枚が撮れなかった。だが今日は雲ひとつない青空が広がり、まるで「今だ」と言わんばかりの光が差し込んできた。


私は太陽の角度を読み、最高の瞬間を狙ってシャッターを切った。残
念ながら隣の教会の十字架は理想通りには光を反射光しなかったが、それでも桜は確かに力強く春を告げていた。



2025年4月21日月曜日

 サクラサク


新校舎建設のため卒業記念の植樹たちも、大曲高校の歴史を見守ってきた大木たちも、すべて伐採された。たった1本残った自転車置き場の桜がひっそりと咲いた。風に枝を揺らし、花をこぼしていた。


あの木は覚えているのだろうか。

四月、真新しい制服に袖を通した新入生たちが、不安と期待を胸に門をくぐったことを。放課後、うつむきながら自転車にまたがったあの子の、涙に濡れた頬を。三年間使い込まれたサドルに最後の別れを告げて、卒業していったあの春の日を。


校庭の風景が塗り替えられていく中で、その桜だけが、旧きものたちの記憶を抱いて立っている。

まるで、誰かの帰りをずっと待っているかのように。それは、かつてこの場所に確かにあった時間の証し。そして、静かに咲くことで語りかける、最後の証人だった。


あの木は覚えているのだろうか。

それは、かつてこの場所に確かにあった時間の証し。そして、静かに咲くことで語りかける、最後の証人だった。


#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学






2025年4月20日日曜日

朱は語る

長年愛用している印泥が、いよいよ残りわずかとなった。そこで、新たな印泥を買おうと、いつもお世話になっている書道用品店にお願いした。そこには新しい体制で作られた印泥と、ひとつだけ残っていた以前の体制だが上海製の印泥が置かれていた。「どちらにしますか」と問われた。


その印泥にはいくつかの工房・企業が製造しており、その背景には製造体制の変遷や、ブランド継承の複雑さがある。製造元によって「本物」だとか「偽物」だとか、さまざまな情報が飛び交っている印泥だ。結局新しい体制でない上海の印泥にした。


使ってみると、今までのものとは少し違うような、でもどこか似ているような……。新しいせいか、印影は明るく発色しクリアに押すことができた。最近急に温かくなったので気温のせいか、あるいは配合の違いか柔らかく感じられたのも印象的だった。


まだ手になじみきったとは言えない。けれど、この印泥ともまた、静かに時を重ねていくのだと思う。

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2025年4月17日木曜日

週番目標

教員として初めて赴任した学校はバレーボールの強豪校だった。サーバーが「さあ、行こう」と声をかけてサーブを打つと、チームメートが「よし、行け!」と応える。その一連の掛け声がとても新鮮で、強豪である理由が垣間見えた瞬間だった。


みなさんが高校生の頃、「週番」という役割があったことを覚えているだろうか。週末になると今週番と来週番が集まり、週番交代のミーティングを行い、翌週の週番目標を決めたものである。現在、大曲高校では生徒による週番制度は廃止されているが、職員には週番がある。そして今週、私はその週番を務めている。

新学期が始まり、授業も本格的に動き出し、部活動には新入生が加わった。さあ、新たな日々が始まる。目標を書いて印を押し、各クラスに配布した。今週の週番目標は、「さあ、行こう」である。
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2025年4月14日月曜日

ようこそ、書の世界へ

 高校で書道部へ入ったみなさん、中学生から引き続き書道に取り組むみな、みなさんがこれから取り組む「書道」は、ただ文字を書くことではありません。それは、千年を超える歴史のなかで、多くの人が心を込めて書き継いできた「文化」であり、「芸術」であり、そして「対話」です。


1 書写と書道のちがい

 中学校で学んできた「書写」と、高校で学ぶ「書道」は、似ているようでまったく異なる教科です。まず、大きなちがいは教科の分類です。書写は国語科に含まれ日常生活で必要な文字を正しく、整えて、読みやすく、速く書くことを目標としています。言ってみれば、「伝わるための文字」を学ぶのが書写です。

 一方、書道は芸術科に属します。筆と墨を用い、線の強弱や余白、構成にこだわりながら、文字を通して自分自身を表現することが目標です。感情、思想、美意識、それらを文字に託し自分を表現するのが書道です。どちらも同じような用具用材を使いながら「書く」ことに変わりはありませんが、たどる道とその先にある世界は大きく異なります。


2 書道における「古典」とは

 「古典」と聞くと、源氏物語や枕草子などの文学作品を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、書道でいう「古典」は、少しちがいます。書道における古典とは、「古人が書いた優れた筆跡」のことをいいます。彼らの書は、何百年、千年を経てもなお色あせることなく、書の美しさ・精神・技術のすべてが詰まっています。


3 臨書とは何か

 臨書(りんしょ)とは、古典を手本として学び、またはそのようにして書いた作品のことをいいます。

 小学校や中学校では、主に先生が書いたお手本を見て練習することが多かったと思います。しかし、高校の書道ではそれとは違い、古典を直接手本として学ぶのが基本になります。古典の書をじっくり観察し、どこに力を入れているのかどんな筆の動きをしているのか字の大きさや配置にどんな工夫があるのかそういったことを一画一画分析しながら書きます。

 臨書は、ただ真似る練習ではありません。古人の書に込められた技術・美意識・精神を読み取り、自分の筆を通して体験する深い学びです。臨書を重ねることで書の基礎が身につき、やがて創作へとつながっていきます。創作は書道の最終目標で、臨書は書道の原点にして未来への扉なのです。

 私たちは、この古典と向き合い、臨書を重ねることで、書の基礎を学び、書き手の心に迫り、やがては自分自身の「書」を生み出していきます。


4 最終目標「創作」

 書道における最終的な目標は「創作」です。創作とは、自らの創意工夫によって行う表現のことです。臨書によって培った技術・美意識・精神に、自分なりの工夫や発想を加え、独自の作品をつくり上げる――それが創作です。


5 落款

 書道作品は、「本文」と「落款(らっかん)」という二つの要素で構成されます。落款とは、「署名」と「印」のことを指します。これは単なる付け足しではなく、本文と並ぶ重要な構成要素であり、決して軽視してはなりません。

 署名については、臨書の場合は名前や雅号の後に「臨」と記すのが通例です。創作の場合は「書」と書くのが一般的です。署名はサインですので、自分らしくかっこよく書く工夫を凝らしたいところです。

 そして、印こそ細やかな配慮と美意識が求められる部分です。署名が美しく工夫され、印が鮮明に押されている作品は、それだけで作品全体の完成度を高めます。よく考えてみてください――小さな印にまで心を配り、署名に工夫を凝らしている人が、本文に無頓着なはずがありません。落款まで含めて、ひとつの作品なのです



実践で鍛える筆の力

大曲高校書道部では入学のお祝いメッセージを、入学式当日に書道室の窓や保護者控室、来賓控室に掲示しました。これは、道路を行き交う皆さまや来校された保護者・ご来賓の方々に向けた、心からの歓迎のことばです。やはり、人の手で書かれた文字には力があります。印刷物や無機質な掲示ではなく、「人の思い」が宿る筆文字を届けたいという思いで取り組んでいます。さらに、入学式の式場に隣接する体育館には、新入生を迎える巨大な作品も掲げました。


また、これらの取り組みは書道部にとって“大きな文字を書く”という貴重な稽古の場でもあります。日々の練習では味わえないなかなか取り組むことのできない大きい紙での表現、空間の広がり、そして人目に触れる緊張感――すべてが実戦そのものです。


「習うより慣れろ」とはよく言ったもので、実際に筆を持ちからだ全体で書く経験のなかにこそ学びがあります。卒業式でも同じような取組をしましたが、それを自己評価しながらうまく書けるかよりも、その反省を活かしてまずは書いてみること。失敗も成功も、すべてが力となって蓄積されていきます。


そうして私たちは、筆に宿る力を少しずつ、自分のものにしていきます。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学










2025年4月13日日曜日

挑む覚悟はできているか

 書道部では希望と緊張を胸に登校した新入生たちに向けて、歓迎と激励の思いを込めた作品を制作し、会場に隣接する体育館に掲示しました。作品に記したのは――「君は何をしに、ここへ来た?」


この問いは、誰かに与えられた答えを求めるものではありません。自らの意思で大曲高校を選び、努力を重ねて難関を突破し、自分の進むべき道を切り拓こうとしている、その一人ひとりに投げかける心の鏡のような言葉です。「なんとなく」ではなく、「どうしてもここで挑戦したい」と願った者だけが越えてきた扉。その情熱をここで存分に発揮してほしい。夢のために、理想の自分のために、ここで何を掴みたいのか。その決意を胸に、一日一日を、濃く、熱く、過ごしてほしい。


書道部の筆から放たれた一行には、祝福とともに挑戦者へのリスペクトが込められています。大曲高校で自分自身を超える三年間がいま始まろうとしています。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年4月12日土曜日

アオハル書道!

 このたび、秋田魁新報社が大曲高校書道部に一年間密着し、私たちの活動を連載記事として紹介してくださることになりました。

 

そして本日、記念すべき第1回の記事が紙面に掲載されました。今回取り上げていただいたのは、先日行われた「部活動紹介」の様子と、書道パフォーマンス『初めて物語』の舞台裏です。題字は3年生が担当し、それぞれの想いと決意を込めて揮毫しました。

 

思い返せば、私たちが初めて書道パフォーマンスを行ったのも、12年前のこの「部活動紹介」の場でした。たった一筆から始まった表現が、代を重ね、仲間たちの手によって磨かれ、いまや大曲高校書道部を象徴する活動のひとつとなっています。

 

この一年間には、地域や学校行事での書道パフォーマンス、各種展覧会への出品、さらには書道を通じた地域貢献活動など、様々な取り組みが予定されています。その間に新入生が加わり、夏には3年生が引退。バトンを受け取った新チームが次の世代を担い、来年へと向かう大きな流れが生まれていきます。

 

この連載では、作品づくりに懸ける情熱、日々の稽古の積み重ね、仲間との絆や試行錯誤の軌跡など、私たちの“素顔”が丁寧に記録されていきます。書とともに歩む私たちの一年が、少しでも多くの方に届き、共に感じていただけるものとなれば、これ以上の喜びはありません。

 

節目ごとに重なる喜びと別れ、その中で育まれる言葉と筆の力を、これからも真摯に表現し続けてまいります。どうぞ温かく見守っていただけましたら幸いです。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学


2025年4月8日火曜日

書は学校の顔になる

人が書いた文字には、ただの言葉を超えたエネルギーが宿る。

私が全身全霊で揮毫した「入学式」の立て看板。その前には、新入生と保護者が長蛇の列をつくり、まるで神聖な儀式に臨むように、一人また一人とカメラの前に立っていく。


看板に記したのは、縦に力強く配置した「入学式」の三文字。ただの三文字ではない。主役としての風格を放ち、周囲の空間には今年の校名と年度を潔く刻む。“使い回し”なんて妥協はしない。その年、その瞬間の輝きに応えるためにすべては毎年勝負。この構成にたどり着くまで、何年も試行錯誤を繰り返し何度も筆をとってはにらみ、悩み抜いた。だがその果てに生まれた一枚。


秋田県内で毛筆での立て看板を用意できる学校は、ほんの一握り。だが、ここまで“魂”を込めて書く者がいるのは、間違いなくただ一校大曲高校うちだけだ。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年4月7日月曜日

全県書きぞめ展 団体賞14年連続受賞

大曲高校書道部は、このたび開催されました第64回全県書きぞめ展におきまして、ありがたくも14年連続となる団体賞を頂戴いたしました。干支が一周してしまうほどに長きにわたって受け継がれてきたこの記録を、今年も無事に繋ぐことができたことに深い感謝と喜びを噛みしめております。


とはいえ、いただいた賞にふさわしい作品であったかと問われれば、まだまだ胸を張れる出来ではありません。筆に遊ばれ運筆はぎこちなく、まるで油の切れた部品がギコギコと音を立てるような線ばかりで、どの作品にも迷いがにじみ未熟な一画一画が目につきます。そうした作品の数々を前に、指導者としての力不足を痛感し反省するばかりです。


それでも、生徒たちは一人ひとり書に真摯に向き合い、言葉では言い表せない思いを筆に託してきました。冬の寒さに指先がかじかむ日も紙の白に己の未熟さを思い知らされる日も、逃げずに立ち向かってきた彼らの姿は私にとって何より誇らしいものです。そうした日々の積み重ねが、こうして形となったことに、ただただ感謝の思いでいっぱいです。


ここで天狗になってしまえば、次に筆をとる手元がすべってしまうかもしれません。だからこそ今、あらためて気を引き締め、一筆一筆に心を込めまっすぐに書の道を歩んでいく覚悟です。書は奥深く、終わりのない道。だからこそ、迷いながらも進む価値がある。これからも部員全員で、“気合いを込めた一画”を丁寧に重ねてまいります。


最後になりますが、日ごろから応援くださる地域の皆さま、そして最強応援団の保護者会の方々に、心より御礼申し上げます。今後とも変わらぬご支援・ご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年4月6日日曜日

青麻会役員退任のごあいさつ

早春の候、青麻会会員の皆さまにおかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、このたび令和7年3月をもちまして、平成24年より13年にわたり務めてまいりました青麻会事務局、ならびに平成29年からの校内幹事長の職を退任いたしました。


在任中は、多くの諸先輩方、会員の皆さまのご指導とご支援に支えられ、微力ながらも同窓会活動の一助となるべく努力してまいりました。とりわけ、新校舎への移行や旧校舎との惜別、多くの節目を皆さまと共有できましたことは、私にとってこの上ない喜びであり、忘れがたい財産です。なお、退任後も引き続き大曲高校に勤務しておりますので、今後ともご指導ご鞭撻を賜れましたら幸いに存じます。


長きにわたり、温かく見守っていただきましたこと、心より感謝申し上げます。今後は一会員として、変わらぬ思いで青麻会の発展を願い、陰ながら応援してまいります。


末筆ながら、青麻会のますますのご隆盛と、皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

#竹村美範#竹村天祐#大曲高校同窓会青麻会



2025年4月5日土曜日

おめでとう

MLB開幕戦のために来日したドジャースのチームメイトをもてなす大谷選手。その姿に感銘を受けた私も、感謝の気持ちを込めて「ありがとう」の贈り物を用意した。先日書いた色紙をさらにバージョンアップし、墨色をモチーフにした黒いウエットティッシュを、大入り袋に忍ばせた。すると、私のDNAがささやいた——「もうひと工夫せよ」と。


私の祖父はただ農産物を作るだけでなく、それにもう一手間かけて納豆の生産と販売を始めた人だった。いまや、秋田県をはじめ各地の食卓に欠かせない味となっている。その血と粘りを引く私は、大入り袋の白い部分がもったいなく感じ、そこに「夢」と一文字したためた。夢がぎゅっと詰まった夢袋。仕上げに買ってきた「ありがとう」のシールを貼って完成……のはずだった。


だが、貼ったそのシールには、こう書いてあった。

「おめでとう」。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年4月4日金曜日

書道部だけど

書道部なのに、いや、書道部だからこそと言うべきか——情けない話だが、卒業証書の揮毫シーズンが始まったあたりから、右肘がやけに痛い。以前、野球部の部長をしていた頃にも同じようなことがあった。ノックを打ちまくっていたら肘が悲鳴を上げて、整骨院に駆け込んだ。先生はにこにこしながら一言、「野球部だけど、テニス肘ですね」。


あれから何年も経って、今回は書道部。ノックのかわりに筆を振り続け、書いた卒業証書はたったの四、五百枚。それなのに、病院で言われたのはやっぱり「テニス肘ですね」。


ラケットもバットも持たず、筆一本でテニス肘。同じ姿勢で延々と書き続けただけでこうなるとは……もしかして、これが“加齢”というやつか。まさか、テニス肘が人生二度目になるとは思わなかった。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年4月1日火曜日

同じではつまらん

元来、竹村家は「新し物好き」。とりあえず流行には乗ってみるが、いざ皆がやりだすと「同じじゃつまらん」と急ブレーキをかける、ちょっと面倒くさい性分である。


そんなわけで、先日も歓迎会の横看板を担当した。送別会のときは、礼を尽くしてピシッと揃った楷書で書いた。しかし、ふと我に返る——部員たちには「現状維持は衰退だ」と言い放っているのに、同じように書いてどうするのかと。


そこで今回は、文字に大小、線に細太、書体は行書と草書を織り交ぜ、もはや多少読めなくても「勢いがあればよし!」の気分で筆を振るった。書き上がってみれば、読者目線はさておき、こちらはすっかり自己満足の渦中。

……読まれるより、この想いが伝わることが大切。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年3月31日月曜日

担任名、手書きにて。

毎年の恒例行事となっているが、今年もありがたく出席簿の担任名を書かせていただいた。今の時代、テプラを使えば一瞬で済むだろうに、毎年こうして筆をとらせてもらえるとはなんともありがたいことである。


この出席簿、実はなかなかのタフなヤツで、一日たりとも休まず毎時間使われる相棒である。そこで昨年からは「布書き用墨」を使用してみたところ、これがまた実に優秀で一年を通して文字がかすれることも消えることもなかった。


ただし、ひとつだけ難点がある。出席簿の表面、なにやらコーティングされていて墨をまるで弾く。まるで「書かせるもんか!」と言わんばかりである。そこで、書く部分にはあらかじめ消しゴムをかけるという裏技(?)を編みだし、そのように書くと墨も素直にのってくれる。


最近はうっかりミスが増えてきているので、全クラスの担任名を間違えずに書き終えたときは思わず「よしっ」と小さくガッツポーズ。誰も見ていなかったのが少し残念だったけれど。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年3月29日土曜日

書道部のエコな日常

大曲高校では学習活動の一環として新聞を活用しており、学年ごとに複数紙を定期購読しています。各フロアのコモンスペースには新聞がそっと置かれ、生徒たちはまるでコンビニ感覚で自由に記事を手に取ることができます。


図書館でも多様な新聞が購読され、一定期間保存されたのち、書道部がありがたく譲り受けています。さらに、各学年で使い終わった古新聞は、書道パフォーマンスの練習用紙として、第二の人生(?)を歩んでいます。


書道部では、書き損じた紙もすぐにはサヨナラしません。反故紙は「まだいける」と信じられる限りリユースされ、筆の練習に再登板。また、使い終わったガムテープの芯も、ただのゴミではありません。「緑の地球を守る運動」に参加し、立派な資源として再び社会に貢献しています。


限りある資源に感謝しながら、私たちは今日も真摯に「書」と向き合っています――紙にも、地球にも、やさしさを忘れずに。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年3月28日金曜日

さまざまな愛の形

お世話になった方への感謝を、どう伝えようかと考えた。言葉を尽くすだけでは足りない。何を贈るべきかと悩んだが、私は書道をしている――ならば、筆で想いを届けよう。

色紙に向かい、ただ「愛」と書くだけでは物足りなかった。同じ形の愛では、私の想いは収まらない。ならば、愛の多面性を筆に託そう。激しく燃え上がる愛、静かに包み込む愛、支え合う愛、祈るような愛、一本の筆で、幾通りもの愛を刻んだ。

この色紙が私の感謝を語り、届けてくれることを願っている。




2025年3月27日木曜日

筆はノリと勢いで

送別会の横看板を書いた。毎度のことながら犬がマーキングするみたいに、自分の縄張りを主張するように筆を振るう。ついでに、大きな字を書く稽古にもなるので一石二鳥!

さて、会場で改めて眺めてみると……うん、いつものことながら、どこかチグハグ。でもまあ、それはそれで!どう書けば一体感が出るのかと、客観的に観察している。

最近は、画が潰れたり、ちょっとしたミスが目につくことも増えてきた。そこで、修正液を常備するという知恵をつけた。遠目なのでバレないようにササッと直せば問題なし!(たぶん)

書風は気分次第。今回はきっちり楷書で決めたけれど、次の歓迎会は、これでもかというほど流麗な行書にしてみよう。いや、むしろ現代風に攻めるのもアリかも?……なんて考えつつ、次の機会を楽しみにしている自分がいる。



2025年3月26日水曜日

感謝の響き

大曲高校書道部は3月25日、グランドパレス川端で開かれたロータリークラブの例会にて、感謝の想いを込めた書道パフォーマンスを披露しました。私たちが全国の舞台で挑戦できるのは、支えてくださる皆様のおかげです。その恩に報いるべく、一筆一筆に心を込め、言葉では伝えきれない想いを、躍動する筆跡に託しました。


また、例会に出席された方の中には、先日の大仙市誕生20周年記念式典にもご参列された方がいらっしゃり、「部長の返事が素晴らしかった」と、過分なお褒めの言葉をいただきました。厳粛な式典の場で、私たちの想いが言葉としても伝わったことを知り、深い感慨に包まれました。


書の力は、ただ美しい文字を綴ることにあらず。書き手の心が宿り、人と人とを結ぶもの――。私たちは、これからも書の道を究め、その一筆で、支えてくださる方々への感謝を紡いでまいります。




2025年3月23日日曜日

感謝と誇りを胸に

令和7年3月22日、大仙市大曲市民会館で開催された大仙市誕生20周年記念式典において、私たち大曲高校書道部は感謝状を賜りました。このような光栄な表彰を戴き心より感謝申し上げます。


式典では書道部部長が感謝状を受け取る際、呼名に対しいつもの通りの返事をしました。すると、会場にいらした皆様から「返事が大変立派だ」とお褒めの言葉をいただきました。日頃の稽古の成果をこのような形で評価していただき誠に光栄です。


私たちは地域の学校として学びの場を大切にし、書の道に励んでまいりました。これからも、その歩みを止めることなく、全力で目標に向かって努力を重ねていく所存です。また、大仙市のさらなる発展のために微力ながらもできる限りの協力を惜しまず、地域に貢献してまいります。


このたびの表彰に改めて感謝申し上げるとともに、これからも大仙市とともに歩んでまいります。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学



2025年3月21日金曜日

夢と書のステージ

 大曲高校書道部は昨日開催されたダイヤモンド☆ユカイさんのトーク&ライブに出演し、映画『トイ・ストーリー』の主題歌に合わせた書道パフォーマンスを披露した。私たちは映画のキャラクターになりきり、衣装もそろえておもちゃの世界を表現。ステージの上で歌と書が一体となる、ワクワクするような時間を創り上げた。


会場はダイヤモンド☆ユカイさんの歌を楽しみに来たお客様ばかり。そんな中、おまけのように出演した私たちにも温かい拍手と言葉を送ってくださり、ユカイさんご自身も書道を嗜まれていることもあって作品をご覧になり「いいねえ~!」と優しく励ましてくださった。熱いロッカーの歌声は音波とともに、魂まで会場を満たした。その言葉に背中を押され緊張も吹き飛び、心から楽しむことができた。書と音楽の力で観客とつながる――そんな夢のようなひとときは、忘れられない貴重な経験となった。

#竹村天祐#大曲高校#大曲高校書道部#青麻会#大東文化大学




2025年3月18日火曜日

魂の響宴 ダイヤモンド☆ユカイ × 大曲高校書道部

 大曲高校書道部は3月20日(春分の日)に開催される ダイヤモンド☆ユカイさんのトーク&ライブ にゲスト出演し一緒に書道パフォーマンス を行います


今回のステージではユカイさんの熱い歌声にのせて、書の躍動感を表現!観客の皆さんと一体となって楽しめる、新たなコラボレーションをお届けします。ユカイさんの魂の歌声と、私たちの書が生み出す熱い瞬間をお見逃しなく。


イベント詳細

日程:令和7年年3月20日(祝・木)

午後1時からの昼の部と、同6時からの夜の部の2部構成。

会場:大仙市「フォーシーズン」


#ダイヤモンドユカイ #トークライブ #書道パフォーマンス #大曲高校書道部 #春分の日スペシャル




2025年3月16日日曜日

筆に託す想い

書道部の稽古は、何も展覧会へ出品する作品を仕上げることだけではない。卒業式、私たちは運動部が練習試合を重ねるように、校内に掲示するさまざまな書を手がけた。


保護者控室や来賓控室のお祝い、先輩方への感謝の言葉――これらはすべて、筆を執り一文字一文字を部員全員で担当し想いを込めてしたためた。さらには、市道に面した書道室の窓にも、通りゆく人々へ向けたメッセージを掲げた。


もちろん、先輩への感謝を込めた作品の出来栄えも重要である。しかし、それと同時に、自らの書を冷静に見つめ、客観的にその筆致を省みることもまた書の修練には欠かせない。


校内での案内掲示はすべて私の筆によるものである。人の手によって生み出された文字には、機械には決して生み出せない力が宿る。そこに息づく温もりと想いこそが、書をただの文字から、心を伝えるものへと昇華させるのだ。