2024年11月27日水曜日

小さな問いの種

 総合美術展の表彰式から作品搬出、そして学校への帰還という一連の大事業を終え、私はようやく車をレンタカー営業所へと返却に向かいました。すべては順調。ガソリンスタンドで給油しながら部員を無事送り届けた達成感を胸に、最後の仕事を淡々とこなそうとしました。車を返却しに行くと営業所のスタッフが一言、こう尋ねてきました。

「ガソリンは満タンでよろしかったでしょうか?」

 いやはや、実に興味深い。これは一体どういう意味でしょうか?

 「ガソリンは満タンで『よろしかった』…? 過去形の丁寧語で確認しているということは、まるで私が時間を遡る能力を持っているとでも? それとも、私が未来に備えて常に満タンを選ぶ信念の持ち主だと知っている? あるいは、ここでの"満タン"とは文字通りの意味ではなく、私の心が満ち足りているかどうかを問う哲学的な問いかけ?」

 私は一瞬たじろぎながらも、「はい、満タンです。念のため、部員にも満タンの愛を注ぎつつ参りました」とでも返しておけば、この場の空気をさらに満タンにできたのでは、と後から気づく次第であります。

 さて、この問いの本当の意図は果たしてどこにあったのか。それは、未だに私の心に小さな問いの種を植えたままです。

 ちなみに、今日レンタルしたのは14人乗りのコミューター。普通免許では運転できません。



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