高校生になって書道部に入ったみなさん、小学生中学生から引き続き書道を続けているみなさん、新しい書道の世界をご案内します。
1 書写と書道の違い
学校では書写は学校での時間割で、何の教科の時間に学習しましたか。今まで小学校や中学校の書写は国語科で、文字を正しく整えて速く書くことを目標にして学習してきました。
国語の時間で学習した書写に対して、高校での書道は芸術科の時間に学習します。芸術科には「音楽」「美術」「工芸」「書道」の科目があり、ここから選択できるようになっています。学校によって開講している科目が違うので、必ずしもこの4科目からの選択とはいかないことがあります。学校として全員音楽を選択している学校もあれば、音楽と書道からの選択や音楽と美術からの選択、音楽と美術と書道から選択できる学校もあります。
これから皆さんが取り組む書道は確かに書写と用具等は同じですが、その内容は全然違います。そして、書道の目標は「自己表現」です。自分の気持ちを文字としてあらわし、筆と墨という用具で表現します。そしてそれを鑑賞することは共感することです。
これから皆さんが取り組む書道は確かに書写と用具等は同じですが、その内容は全然違います。そして、書道の目標は「自己表現」です。自分の気持ちを文字としてあらわし、筆と墨という用具で表現します。そしてそれを鑑賞することは共感することです。
2 知っておきたい書道用語
下の書道用語はこれから書道を学ぶにあたって、よく使われる用語であるのでしっかり理解してください。そして、書道用語を使えるようにしましょう。
「古典」古人の書いた優れた筆跡。
「古典」古人の書いた優れた筆跡。
「臨書」古典を手本として習うこと。またその作品。
「創作」自らの創意工夫に夜表現。
「落款」署名と印。
3 古典って何だ、臨書って何だ
「古典」と聞くと皆さんは「源氏物語」や「枕草子」などを思い浮かべるでしょう。しかし、書道では「古人の書いた優れた筆跡」を「古典」と言います。そして、それを手本として習うことを「臨書」と言い、書いたその作品も「臨書」と言います。古典と言われるには「古人が書いた」ものであり、さらに「優れた」筆跡であることが条件です。
4 コリン星から来なくても
書道の作品は「本文と落款(らっかん)」で構成されています。落款は「署名」と「印」です。つまり、書道の作品は「本文・署名・印」がないと完成ではありません。よく署名をせずに本文だけをお稽古をしている人を見かけます。しかし、署名も書道作品の重要な構成要素なので、1枚本文を書いたら必ず署名も書きたいものです。
書道作品の署名は、小学生や中学生ではフルネームを書いていました。高校・一般では苗字は書かずに名前だけを書きます。苗字だけの署名はありません。そして、臨書の場合には臨書であることを示すために名前の下に「臨」と書きます。そのため、真理さんは日本人でも「真理臨:マリリン」となりますし、凛さんは「凜臨:リンリン」になります。そして、優子さんはコリン星から来なくても「ユウコリン」になります。ずぅ〜っと前、上野動物園にリンリンというパンダがいましたね。
書道あるある
⭐️署名のうまい人の作品はだいたいうまい。
⭐️印をきっちり押している人の作品はさらにうまい。
⭐️署名のうまい人の作品はだいたいうまい。
⭐️印をきっちり押している人の作品はさらにうまい。
5 書道の最終目標
なぜ臨書をするのでしょうか?
臨書の目的はたくさんあります。それぞれの学習段階や求めるものによっても目的は違います。皆さんの臨書の目的は
「よく観察するため」「上手な筆遣いができるようにするため」
「視野を広げるため」
です。見ているようでよく見ていないのが観察です。しかし、それをお手本として書こうとするためには、一画一画隅々までよく観察しないといけません。
そして、書道の最終目標は「創作」です。創作とは「自らの創意工夫による表現」です。臨書によりそれぞれの古典のエッセンスを取り入れ、それを自分の中で再構築して独自の書風を編み出すのです。自分の世界を切り開くため臨書は必要です。